笑顔のキミが好き【千】

付き合い始めて　4 ページ17

頭痛くなりそう･･････

寝るって、そういう事だよね？
添い寝じゃないよね？

いやいやいやいや･･････

なんで恥ずかしいとかより恐怖を感じなきゃいけないの。
折角付き合い始めたなら、普通の感情味わいたかったよ。

キスだって、もっと普通にドキドキしたかったよ。
ドキドキしたのは彼女になるって決まった時だけだ。

小さくため息をつく。
千に向かって言った。

『千は、私とキスするのって緊張する？ドキドキする？』

「何？するよ。当然でしょう。」

当然じゃなさそうだから聞いてるんだよ。

私の思いが分かったのか、千がビックリした顔をして私に聞いた。

「え？A、しないの？」

『ない。そんな余裕ない。突然されるし、ムードもへったくれもないし。』

「ムード･･････」

それっきり千が話さなかったので、メイクに取りかかる。
終わると、千が嬉しそうに私を見ていた。

『何？』

「本当に僕の好み。ヤスは笑顔が少ないとこ以外は全部好き。」

『一応私だもんね･･････“A”が、ちゃんと自分だけど。』

千が私を後ろから抱きしめてきた。

「うん。でも、どっちも好きだよ。僕だけが知ってるのが一番いいけど、僕だけが知ってる顔も見たい。」

『千だけが知ってる顔？』

不思議に思って千を振り向くと、千は腕をほどいて私の肩に手を置いた。

「彼女になってくれるって言った時のAは、すごく真っ赤で可愛かったよ。僕しか知らない顔でしょ？」

『え？そう？』

ちょっと違うけど、相手が好きで顔が赤くなった事は他にもある。
百相手でもあったな･･･

「A、何考えてるの？」

『え？他にもあったんじゃないかなって考えてる。』

「僕だけ見て。･･････キス、するよ？」

え？何で今？
大体いつも突然するでしょ？

ビックリして千と目を合わすも、いつものようにしてこない。

『？しないの？』

「Aがいいって言わないから。」

『いつも返事待たないでするでしょ？』

「今はAがキスしてって言うまでしない。」

え。
私が言うの？
なんで？

目を彷徨わす。
千は、ちゃんと待ってた。

いや、別にして欲しいとかないけど。
何で言わなきゃいけないの。

千の唇に目が行く。

急に恥ずかしくなった。

「あ。」

『え？』

「やっぱする。」

『ちょ･･･っ』

優しく千の唇が触れる。

何でか急にドキドキした。

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