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171 〜三月side〜 ページ21

オレの問いに、直登は頷いてから答えた。

「店長やってますよ。」
「店長!?」

店長って、あの飄々としてそうで、でもデキる男って感じのあの人か!?

確かに、どことなく直登と似てるような・・・?
でもAとはあんま似てねえなって思うけど。

まあでもそこは今置いといて。

「直登の親父さんはともかくさ、Aに、自分が兄貴だとか言うつもりはねえの?」
「そこは別に言わなくてもいいですね。それこそ妹と同じ。・・・“会いたいと思うんだとしたら、自分のためじゃない”・・・名乗るとしたら、自分の為じゃないです。」

あ。
確かAも同じ事言ってた。

「・・・聞いてたのか。」
「はは、はい。志貴さんがそれでボーッとしちゃって、飲みもんこぼして・・・」
「あん時な・・・店長の方も名乗るつもりはないのか?」

「さあ?聞いたことないですね。妹と事務所で会った事は話したけど、それ以外最近忙しいみたいで。明日も有給使ってどっか行くって。」

「明日?」

明日ってAが実家行く日だよな。
最初は、夕方仕事が終わってからって言ってたけど、店長に1日休みにさせられたって言ってたやつ。

偶然か・・・?

「直登。・・・おまえの親父さんって誰?」
「え・・・」

「Aが働く所に行って店長と話した上で、親父さんとも話す。別に無理に名乗んなくてもいいぜ?でも、それで誰かが悲しい顔すんのはオレが居心地悪くてさ。」

苦笑いすると、直登が戸惑ったように視線を彷徨わせた。

「オレが勝手にすることだから。心配すんな。」

椅子から立って、座ってる直登の頭をクシャッと撫でる。
親父さんの名前だけ聞いて、直登の楽屋を後にした。


「遅くなりました!」

Re:valeの楽屋をノックして入ると、着替え終わったRe:valeが揃っていた。

「大丈夫!三月は?次の仕事間に合う?」

時計を見て、余裕があることを伝えると、コミック本が三冊位入りそうな紙袋を渡される。

「何ですか?」

「私に来た手紙3通と・・・」
「岡崎事務所入り口周辺の、防犯カメラの映像をいくつか写真におこしたんだ。ほらこれ、Aちゃんの元カレでしょ?」

百さんが言いながら、袋の中から何枚か写真を取って見せてきた。
確かに元カレに見える。

「□に来た手紙って?」
「嫌がらせの手紙だよ。ファンレターに紛れて来てたから、おかりんが取っておいてくれてた。」

□がケロッとした顔で答えた。

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作者名:miz | 作成日時:2020年11月19日 8時

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