金銭感覚 2 〜百side〜 ページ44
三月がお風呂に入ってる時にスマホを見ると、Aから着信があった。
ラビチャも既読になってる。
【休憩？電話出るかな？】
Trrrr･･････
･･･『百？』
「A？さっきはごめん！オレ、ヤキモチ妬いて、わがまま言って！」
言いたくて仕方なかったからか、開口一番に謝ると、何故かAも謝ってきた。
･･･『私もごめん。冷たい態度とって。』
胸が、きゅぅぅぅんと鳴る。
【優しい！！】
オレが悪いのに。
ああ、もう！！
「もう、好き！！」
･･･『･･････え？』
はっ！！
思わず！！
心の声が！！
「あ、いや！違っ･･･いや違くないけど！心の声が漏れて！！」
･･･『ふふふ･･･っ。あはは。百、かわ･･･あー･･･』
あ、懐かしい。
「かわいいけど、格好いい？」
･･･『うん。』
笑いを含んだような声で、Aが返事をした。
うれしい。
それから、ハニーって言葉が今回、ヤスのスイッチになってしまった事、大和と話をした事、ユキの作曲に口出ししにくいけど、出来たモノへの感想を言ったら、直し始めた事を聞いた。
【確かに、ヤスにしかハニーって言ってないな。】
盲点だった。
オレも、三月と話した事を言う。
Aが知っていても、誤差があるかもしれないし、報告するのを怠ったらダメな気がするから。
「オレ、三月の話聞いてさ、Aと大和って似てんだなって思った。」
･･･『似てる？』
「うん。大事な秘密言わない所とか、誤魔化したりとか。自分で抱えちゃうとことか。」
･･･『抱えるのは百もでしょ。』
「あはは。そっか。･･･でも言ったらラクになっただろ？大和もラクになればいいな。」
･･･『そうね。･･･そういや、ろっぷちゃんあげた？』
「あ、まだあげてない。」
･･･『そっか。じゃあ、怪獣パジャマの代わりに、ろっぷちゃんあげて。』
「何それ。そんな未来あんの？」
･･･『ない。っていうか知らない。折角のパジャマが無駄金になるのは嫌だからね。需要と供給はしないと。』
無駄金･･･容赦ない･･･
「面白そうだから買ったのに〜」
･･･『面白そうだからって何でも買ってるから物が溢れるの。お金は有限だから、しっかり管理して下さい。』
「芸能界の長者番付に入ってるような人が言う言葉かな！？」
･･･『ああ。そうね。でも金銭感覚狂わないように、通帳はほとんど見てないから。気になるのは家賃の引き落としと更新時位。』
本当にしっかりしてるよ･･･
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月16日 5時
