金銭感覚 〜百side〜 ページ43
「百さん！1年前の肉、冷凍庫に封印しとかないで、捨ててくださいよ！」
「捨てないよ！食べるもん！冷凍してあるから食べれるでしょ！？」
「冷凍保存の力、過信しすぎです！こっちの魚は？」
「えっとね！去年の春、釣りに行って･･･」
「ダストボックスシュート！！」
おお、これがAの日記帳に書いてあったダスト･･･じゃなくて！！
「オレのお魚･･･！！！」
「この冷凍野菜は？」
「えーと･･･？」
いつのだ？
「ダストボックスシュート！！」
「ぎゃああ！！」
気づけば冷凍庫の中身が半分･･･
ダストボックスシュート、トラウマになりそう･･･
ナギ、すごいなー。
これが日常茶飯事か。
食事と片付けの後、三月が「百さん、冷凍庫の中身で聞きたいことあるんすけど。」なんて言うから、何だろって思ったら、こんな怖い洗礼を受ける事になるとは思わなかった･･･(ﾟ◇ﾟ)ｶﾞｰﾝ
「百さん、誰もここ、チェックしないんですか？」
「おかりんがたまに掃除してくれるけど冷凍庫は開けないね。」
「ここに来てた時のAは？」
「えーと･･･初めは、やってくれたけど。」
「？」
いつだっけ？
さっき捨てられた魚を入れてくれた時。
ひたすら、ちゃんと食べてと言われて、分かったと言いながら料理なんてしないから、そのままだった。
ユキが来た時も、ユキが材料持ってくるし。
そのうちAが
“そのうち誰かに捨てられてしまえばいいのに。”
って言った。
なんて事言うの！って言ったけど、これを指してたんだ。
それから何も言わなくなったな。
「彼女はオレを見捨てたよ･･････。」
「はい？」
一織が電話だと言ってリビングから出て行ったけど、オレもAに謝りたいなあ。
でもユキが仕事の邪魔だって言ってスマホ持たせてくれないかも。
一応謝りたいって事はラビチャで送ったけど、既読もついてない。
煮詰まってるもんな、新曲。
「百さん、先にお風呂どうぞ。」
「え？いいよ。三月入ってきな。」
「いえいえ、それこそ、家主からですよ。先輩ですし。」
「お客さんからでしょ？」
お互いに見合う。
プッと笑った。
「一緒に入る？」
「え？いえいえ、一織じゃないですけど、順番で。」
「一織？」
「あいつ、一緒に入りたがらないんすよ。男同士でも。」
「へー。それは是非とも一緒に入りたくなるね。」
「ええ！？」
「うそうそ。冗談。嫌がる事はしないよ。」
ウインクして笑った。
結局オレが先に入った。
金銭感覚 2 〜百side〜→←三月と初めての大喧嘩は･･･ 2
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月16日 5時
