金銭感覚 3 〜百side〜 ページ45
Aがお金を使う時って、洋服とか本、誰かへのプレゼントとか差し入れ。
それ以外は知らない。
【ご飯の時は出したがるけど、出させないし。･･･いや、俳優さん関係だと出してんのかな？時々食事会とか行ってるらしいし。】
のわりに、ろっぷちゃんとか、こういうの急に買うし、良く分かんない。
そういう謎な所も好きだけど。
電話を終えてリビングに行くと、２人がくつろいでいた。
「あ、お風呂いただきました。」
「百さん、風呂掃除終わりました！寝ますか。」
「待って。一織、三月。」
不思議そうな顔をする２人に、にっこり笑顔で怪獣パジャマを出す。
「げ。着ませんよ！」
「遠慮させていただきます。」
「じゃあさ、これあげるから、代わりに着て！」
オレが差し出したのは、Aが買った、ろっぷちゃんの食玩1ケース、6個入り。新商品･･･らしい。
【本当にこれでうまくいくの？】
若干ドキドキ。
悟られないように笑顔で。
一織と三月は顔を合わせてため息をついた。
「Aだな。」
「でしょうね。全くあの人は･･･」
ん？Aの案ってバレてんの？何で？
「新商品ですよね。仕方ないので有り難くいただきます。」
一織の手が、ろっぷちゃんの箱に触れる前に、オレの背中にサッと隠した。
一「え？」
「いいよ！仕方ないなら、Aに返す！」
･･････ん？一織、固まってる？
でも、無理やりあげんのはマズいだろ。元々Aのだし。
そう思ってると、三月が笑った。
「あははは！一織、お前の負けだな。百さん、ろっぷちゃん欲しいです。代わりにパジャマ着ますけど、SNSは勘弁して下さいよ。」
「えっ！？着てくれんの！？やった！！」
「今回限りですよ。」
「いいよいいよ！そっかー。一織、ろっぷちゃん好きだったのか〜！」
「ち、違います！」
「隠すなって〜。いいじゃん。ツンデレにギャップあり。萌えるねえ。」
顎に手をあてて言うと、顔を真っ赤にした一織が叫ぶ。
「ツンデレでも、可愛い物好きでもありません！私はクールでシャープな･･･」
「思春期だねー。若いね〜！」
「百さん！！」
「一織、諦めろ。Aの彼氏の時点でバレてておかしくないんだからさ。」
「･･･くっ･･･」
一織が、全くあの人は･･･と言いながら、三月と一緒にパジャマを着てくれた。
「めっちゃ似合う！！さすがIDOLiSH7！！」
気の済む分だけ写真取って、Aとユキに送った。
三月から鋭いツッコミがスパーンと入った。
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月16日 5時
