笑顔のキミが好き 【百】 13

気持ちを抑える方法　2　〜百side〜 ページ16

受け入れてくれるからって、無意識に吸い寄せられたからだって、やりすぎた。

バンさんがAの背中をさすってる。

やっぱ怖かったかな？

ドキドキしながら皆で話してるうちに、Aもいつも通りになってきた。
旅行の話がユキからあがると、オレも元通りになってくる。

でも話が終わると、やっぱりさっきの、ちゃんと謝った方がいいよなって思ってAを見ると、バンさんと楽しそうに話してる。

【やだな･･･。･･･いやいや、バンさん相手に何考えてんだよオレ！】

目が合って、思い切り逸らしてしまった。

「モモ、僕、おかりんの部屋に泊まるから。」

「へ？」

「ちゃんと話して、気持ちが抑えられる方法を２人で話し合って。」

「え？」

「マネ子ちゃんとAには僕が言っておく。」

「げ。ちょっと待って？」

「物質的に今日なら可能だよ。」

「そういう事じゃ･･･っ」

ユキはオレの制止も気にすることなく、キャベツパーティーを他の人と楽しそうに再開してしまった。

【ユ〜キ〜！】

いや、ユキの強引な所もモモちゃん大っ好きだけど！
今回はどうしたらいいの！？って困ってんの！

このままじゃこれからが不安なんだよ！！

・

結局ユキに押し切られて、謝ることは心に決めて、部屋に来てくれたAに謝った。

「いや、手にキスするつもりなかったんだけど、ちょっとオレ、最近おかしくて！手を繋ぐのも何かダメになってきてるかもしれなくて･･･」

自分からなら良いかも知れない。
でも分かんない。

『え？触られるの嫌って事？』

え？
顔をあげると、真っ青な顔のA。

あ、オレ言葉足りてない！

「違う違う！触ったり触られたりするだけで･･･なんていうか、こう･･･体全部が、ギュッって苦しくなって、ビリビリくるっていうか･･･熱持ったみたいになって、色々真っ白になるって言うか･･･。」

何て言ったらいいんだろ。

「ごめん。怖かったよなって思うんだけど、止められなかった･･･。」

『怖かった？何が？』

「え？さっきの、あんなとこで手にキス･･･しかも口にもしようと･･･」

『え？いや、すんごいビックリしたけど、怖くはなかったよ？』

え？怖くなかったの？

「あの、さ。オレ･･･」

Aが、惚れ直したとか言ってくれた日から、胸の奥がギューッと苦しくなって、でも我慢してた事を話した。

“気持ちが抑えられる方法を２人で話し合って。”

ユキが言ったように、必要なんだと思えた。

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