40.服選び ページ42
「うーん…Aちゃんにはこの服とか似合うと思うなぁ…あ!こっちもいいかも!」
「あ、あの…」
「ほら!このワンピース可愛いでしょ?絶対似合うから着てみて!」
「うう…は、はい…」
天月さんに背中を押され大量の服を持って試着室へ移動する。
なぜこんなことになったのだ。
まあ理由は簡単。ついさっき私が、天月さんに服を選んでほしいと頼んだのだ。
写真や動画で天月さんはとてもセンスのいい服を着ているからオシャレに詳しいと思いお願いした。
(迷惑かなって思ったけど意外とノリノリ…)
そう思いながら試着室で勧められたワンピースを着て鏡の前でくるりと回る。
(どうかな…こういうの着ないから分かんないけど…あんま似合ってないよね…)
鏡の中の私に呆れてワンピースを脱ごうとする。
「Aちゃーん!?着れた?」
「うひゃっ!?天月さんいたんですか!?」
「うんずっといたよー試着室の前で待ってるー」
ええ…ずっと試着室の前にいたとか…私の彼氏かあんたは。
「ねえねえ着たなら見せてー!」
「うう…わ、笑わないで下さいよ?」
前置きして私は試着室のカーテンを開ける。
ワンピース姿の私を見た天月さんは驚いたような顔だ。
ああ…!その顔は似合ってないってことか!うおおおおおそんな顔されるくらいなら笑われるほうがまだマシじゃ!!
「似合ってませんよね!すみませんすぐ着替えますぅぅぅ!」
「ま、待て待て待て待て!似合ってるから!大丈夫だから!」
カーテンを閉めようとしてる私を止め天月さんが焦ったように言う。
「ほ、ホントですか…?」
「嘘なんかつかないよ。すっごく可愛い!」
「う、あ、ありがとうございます…」
ああ…もうこの人は何でこんなことを簡単に言ってしまうのだろう。
「Aちゃん、その服買う?」
「…はい!せっかくなので…!」
「じゃあさ、今日はその服で遊ぼうよ!服を着たままで買う人って結構いるんだよー!」
「そうなんですか…じゃあ、そうしようかな…」
「OK!僕、代金払ってくるから他の服も着てて!」
「え!?じ、自分で買います!」
「いいの!じゃあ他のも期待して待ってるね〜」
「…行ってしまった…」
(人から奢ってもらうのってあまり好きな方じゃないけど、これは天月さん楽しそうだったし…お言葉に甘えようかな…)
私は天月さんが選んでくれたチェックのスカートに手を伸ばした。
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作者名:みずドラ | 作成日時:2018年6月16日 0時