27.何してんの ページ29
「今日、雨か…」
窓の外を眺めながら1人、ぽつりと呟く。
「買い物に行くの大変そーだけど…どうしよ」
今日は楽しみにしていたマンガの新刊が出ているはずだ。続きが気になるからすぐに買って読みたい。
…でも、こんな雨の日にそら兄を呼ぶのは流石に気が引ける。
…仕方がない。1人で行くか。雨だから人も少ないかもしれないし、いつまでもそら兄に頼ってばかりじゃダメだしね。
「…よし、準備おっけー!いってきまーす」
-------❁ ❁ ❁-------
「はあ〜結局グッズも買っちゃった」
やっぱ池袋本店はすごいね。たくさんグッズがあるから何時間でも過ごせちゃう。
…今、何時だ?
ふとそう思い腕時計を見る。
「わ…もうとっくにお昼過ぎてるし…どっかでご飯食べながらマンガ読もうかな」
どこに行こう…前に天月さんと行ったカフェにでも行こうか。
そう思っていると、目の前にス〇バなるものが見えてきた。
う、うーん…ス〇バかぁ…ぶっちゃけると私、ス〇バ入ったことないんだよね、なんか怖くて。
どうする…東京に来たのに『私、ス〇バ入ったことないんです』って言うのちょっと恥ずかしいぞ…!
窓の外から店内を見ると空いている時間なのか、チラホラとしか人はいない。
「少ないし…入ってみる?…いやでも…」
店の周りをうろうろしながら真剣に悩む。
あ、これ周りから見たら完全に不審者だな。
我に返り足を止めると、ポンと肩に手を置かれる。
「何してんの?」
「ぎゃあああ!!って浦田先輩!?」
「声やば…お前ほんとに女子か?」
「その傘へし折りますよ」
本気で心配するような目で私を見る浦田先輩。てか、後ろから話しかけるのマジでやめて欲しい。私、ゴルゴになっちゃうよ?誰も後ろに立たせなくしちゃうよ?
「そういう浦田先輩も何してるんですか」
「俺は普通にス〇バに来た。お前も?」
「あ、私…は…その…」
もごもごとしている私を不思議そうな目で浦田先輩が見る。すると、先輩は「あ」と言って完全に理解したような笑みを浮かべた。
「1人で入るの怖いのか?」
「そ、そんなことないですよ!子供じゃないんだし!」
「そうか。…んーやっぱ俺また今度来ようかな」
「え…」
「じゃ、俺帰るから1人で入ってこいよ」
「う、うう…」
1人じゃないと思ってたのに…
なんか悲しくなって(´・ω・`)←こんな顔になる。
すると浦田先輩は唇を震わせ、吹き出した。
「ぷっ!あはははは!なんだよその顔!」
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずドラ | 作成日時:2018年6月16日 0時