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小さな子供みたいに泣いて、泣いて、泣いて

及川さんは私を抱きしめながら頭や背中を撫でてくれて

段々息が整ってきたのを見計らって、そっと身体を離された


「落ち着いた?」

「は、い」


顔、洗ってきます
そう言って洗面所へ

我ながら酷い顔をしている
誰かの前で泣いたり、自分の話をしたりなんて初めてのことで頭が追いついていない

バシャバシャと冷たい水で顔を洗う
身も心も少し引き締まったような気がした

部屋に戻ると及川さんはなにやらスマホを弄っていた

隣に座るとそのスマホを置いて頭を撫でてくれる


「そういえば」

「はい?」

「Aちゃんってセッターでもスパイカーでもあるんだよね?」

「…一応…?」

「まだバレーしたいって気持ちある?」


真剣な、探るような目で私の目を見つめられる
そんなの、


「…したい、に決まってるじゃないですか」


私の答えなんてひとつだ


「っでも、私なんかが、」

「大丈夫!」

「え?」


満面の笑みの及川さんがそう言う
また卑屈になりかけた私を拾ってくれる


「明日、午後から学校行こう」

「え、でも明日は部活もないし」

「いいからいいから!」


意味がわからない私を他所に、及川さんは始終にこにこしていた



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観月(プロフ) - アキさん» 大丈夫ですありがとうございます!!!そう言っていただけるともっと更新頑張れます…! 本当にありがとうございます!! (2020年10月7日 20時) (レス) id: d67a3f96a5 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - コメントさせてもらっても大丈夫でしょうか。このお話大好きで更新通知が来るたびワクワクしています^_^ありがとうございます (2020年10月7日 16時) (レス) id: 91cac48c4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:観月 | 作成日時:2020年10月4日 17時

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