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夜鷹side
夜 ｢やっちまった･･･｣
五樹さんの前で取り乱すとか､やらかした｡
五樹さん､引いただろうな･･･
走ったはいいけれど行く場所もなく､近所の公園に入った｡
夜１０時｡
公園に人影はない｡
夜 ｢あー､見なきゃよかった｣
思い出すだけで頭痛がしてくる｡
確か､ふたりが歩いていたのは高級マンションの前だった｡
そういう､関係なのか｡
夜 ｢最悪｣
真っ赤な唇と､五樹さんのそれが触れる想像をするだけで吐き気がした｡
夜 ｢〜〜っなんなんだーもうっ｣
五 ｢夜鷹さん？｣
夜 ｢なんですk､！？い､五樹さんどうして､｣
五 ｢隣､いいかな｣
夜 ｢あ､あの･･･｣
質問に答えず､五樹さんは､私の座るベンチに並んだ｡
夜 ｢な､なんの用ですか｣
何言ってんの私｡嬉しいくせに､突っ掛かるみたいな言い方して､馬っ鹿みたい｡
こんなんじゃ､ガキって思われても仕方ない｡
五 ｢うん｡･･･夜鷹さんが､何か勘違いしてるように見えたから｣
夜 ｢勘違い？･･･そんなの､してないです｣
だって､事実でしょ？
五樹さんは小首を傾げる｡
五 ｢本当に？｣
覗き込まれた｡
五 ｢例えば･･･僕があの女の人と付き合ってる､とか思ってたり｣
夜 ｢ちが､うんですか？｣
聞きながら､どこか期待している自分がいた｡
五 ｢違うよ｣
風が吹き抜けていった｡
五 ｢あの人は､仕事先のお偉いさん｡酒癖悪いのに飲んじゃったから､自宅まで送っていったんだけど･･･やっぱり勘違いしてたんだ？｣
夜 ｢あ･･･｣
そう､だったんだ｡
なんだ･･･
五 ｢ねえ､夜鷹さん｡いや､あずみちゃん｣
どうして､私の名前｡
呼ばれたことなんて､幼稚園以来なかったのに｡
五 ｢嫉妬､したんだ？｣
夜 ｢！｣
五 ｢僕が､好きだから？｣
この人は､何を聞いているんだろう｡
私に何をいわせたいんだろう｡
五 ｢返事､してあげようか？｣
.
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