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五 ｢嗚呼､やっぱり｡Aちゃんは明るい色が似合うね｣
｢ど､どうも･･･｣
｢僕が貸してあげよう｣､そう言われ､連れてこられたのは､五樹兄･･･五兎さんのお屋敷だった｡
｢着物ってやっぱり動きづらい･･･｣
昔の人尊敬する｡
五 ｢さあ､Aちゃん｡着替えも済んだことだし､早速何処か行こう｣
｢は､はい｣
と言われても､ねえ｡
今更だけど､これって､夢､だよね？
随分長いし､意識もはっきりしている｡
何かおかしい気がするのは､考え過ぎだろうか｡
五 ｢･･･ちゃん｡Aちゃん｣
｢はっはい！｣
五 ｢大丈夫かい？ぼーっとしていたようだけど｣
｢あ･･･すみません｣
慌てて謝ると､笑顔で｢いやいや｣と返された｡
五 ｢何処に行きたい？かんざしでも見に･･･｣
ぐぎゅるるる｡
五 ｢！！｣
紛れもなく､今のは空腹を訴える腹の音だ｡
｢･･･ほんっと､すみません･･･っ///｣
･･･勿論､私の。
｢恥ずかしい･･･｣
五 ｢あっ･･･はははは！面白いなあ､Aちゃんは｡じゃあまあ､先に腹ごしらえといこうか｣
｢はい･･･｣
羞恥心で赤くなった頬を押さえつつ､五兎さんの後に続く｡
｢ごふっ｣
急に立ち止まった五兎さんの背に顔面衝突してしまった｡
｢い､五兎さん？｣
五 ｢ここだよ｣
｢へ？｣
五兎さんの背中から出ると､確かに茶屋が｡
団子の匂いがする！
五 ｢お婆さん､お団子ひとつ｣
お婆さん ｢あいよ｣
お団子は､とってもモチモチで､それはもうモチモチで､めっちゃおいしかった｡
｢最後の一個､あげます｣
抹茶を飲む五兎さんに渡した｡
五 ｢ああ､ありがとう｡･･･うん､うまい｣
そういって浮かべた笑顔の破壊力と来たら｡
地球一個分壊せる｡
五 ｢･･･Aちゃん｣
｢なんですか､！？｣
顔近っ｡
｢な､なんですか？｣
五 ｢お団子のタレ､ついてる｣
｢えっ､｣
五 ｢とってあげる｣
不敵に笑った顔が､ゆっくりと距離を詰めてくる｡
｢やっやめ､｣
怖い怖い｡
｢｢やめろぉおぉおお！！｣｣
バッ｡
｢･･･ゆめ｣
知ってた！知ってたけどもね､
五 ｢ﾄﾝﾄﾝ｡入るよーA｡朝だよ｣
･･･ナイスタイミング｡
五 ｢？どうしたの､A｡うなだれたりして｣
｢･･･罪悪感と戦ってるんです｣
五 ｢？｣
みなさんも､夢にはくれぐれもご注意を｡
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