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「───力が封じられていた、というのは認めるので?」
「ええ。だって貴方に取り繕ってもいいことないじゃない」
「英断ですね」
「ふふ、でしょう?」
「………結論から言うとね。
真相は、“このヨコハマには、神や妖怪の力を抑制する結界が張られている”ということよ。
もともと妖怪や神の定義というのは曖昧なものだし、誰かが“そうである”と決めたらそれはもう神と決まるのよ。
あなた方人間は荒覇吐を神と定義したでしょう?
だから、その結界の効力を受けたのでしょうね。
結界の目的としては、幻想郷側が圧倒的な力でヨコハマを潰さないための配慮ってところかしら。
でも、なぜわざわざ敵に塩を送るようなことをしているかの理由はさっぱり。
まるでお互い
“まあ、部外者の私に知る由もないけど”と、彼女はスピーチを締めくくった。
「ふふっ、次はねー、とびっきりのが来るらしいわよ」
にんまりと唇を吊り上げた彼女が悪い顔で言った。
「とびっきり?」
「ええ。なんでも、紫サンの今の所の優先事項は天人五衰の弾圧だもの。
なんとしてでも、ヨコハマの人たち以外に彼女らの演目を邪魔されてほしくないんじゃない?」
天人五衰の弾圧、という言葉に彼が眉を顰めた。
「あーでも大丈夫!
きっと貴方達の一ヶ月後の作戦に危害を加えることはないと思うわ。これは誓ってもよくてよ」
全てを知ったような口を叩き全てを大っぴらに話す彼女に、ドストエフスキーは静かに視線を彼女に向けた。
「少し確認したいことがあるのですが」
「なに? もう恥も外聞もないわ、貴方なら特別に答えてあげる」
「貴方は、このようなことをしていて良いのですか?」
静かに問うた彼に、青娥はこてんと首を傾げる。
とてもうん百歳に許される素行ではなかった。
組んだ足を空中でぶらぶらさせながら口を窄める。
「えー、いいも悪いものないわ。
さっき言ったでしょ? 私は紫についてないんだって。完全に私個人の判断で今貴方の前にいるのよ」
「いえ、仲間敵という訳ではありません」
彼は静かに眼光を研いだ。
「貴女がぼくに情報を流すことに、利点を感じないのです。
貴女のこの行動は、貴女にとってどのような利点を生むのです?」
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颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - 四葉のコトリさん» コメありがとうございます!幻想郷vsヨコハマは私の自己満妄想なので、喜んでいただけてとても嬉しいです…。稚拙な素人ではありますが、これからも読んでいただけると嬉しいです!! (2022年1月14日 19時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)
四葉のコトリ(プロフ) - 初コメント失礼します!Pixiv見てたら見つけたので来ました!幻想郷をヨコハマが戦うなんて夢のようです!更新頑張ってください!応援しています!文章とても分かりやすいですね!長文失礼しました。 (2022年1月13日 2時) (レス) @page28 id: 9e21ae10ce (このIDを非表示/違反報告)
颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - ねこルージュさん» おk、すまねえ…。できたら教えてちょ (2021年12月19日 23時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)
ねこルージュ - あ、ビビッドアーミーってやつやってるんだけど、その時の名前がこちらなのでyunanaからこれにかえま〜す (2021年12月19日 21時) (レス) id: f9dc735e37 (このIDを非表示/違反報告)
ねこルージュ - ありがとありがと。小説は少々お待ち下さいね〜。ツイステ六章で推しが弱るシーンを本能のままに書きなぐってるとこです…では、かけたら言うわ。 (2021年12月19日 21時) (レス) id: f9dc735e37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:颯貴@東方&文スト大好き人間 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MizuhasiSatuki/
作成日時:2021年9月28日 19時