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「そして、この世界ではあなたたちに
夢の世界には、この世のあらゆる可能性が凝縮されて閉じられています。
私はその可能性をこの夢日記と私を使って呼び出し、夢の世界で貴方たちが私に殺される運命を呼び出し、その事実をこちらの世界に持ってきて上書きします。
そうしたら、それ以上市民たちに不安が着火することはないでしょう。
マフィア内の爆発事故ということでこの一件は片付けられ、世間にもそう報道されます。
そうすれば、あなたたちも動きやすくなるでしょう?」
長い説明を言い切ったドレミーは、月の都といい幻想郷といい散々使い回されているのに少々辟易していた。
もちろん、この方法を使えばこの世界で異能特務課とポートマフィアに拗れは発生しないだろう。
だけれど、夢の世界はそうはいかない。
冷戦状態になったところを、彼女が夢を差し替えることで夢の世界の事実を改変しなければならないのだ。
それがまた重労働なため、ドレミーはあの紫にちょっとした借りを作った己を延々と呪っていた。
この世界と同じ大きさ、強度、重要性を持つ夢の世界を一手に担う統括者。
あの紫でさえ敬語を使う彼女は、普段の本人のキャラクターとは違う、この世あの世でも頭一つ飛び抜けた影響力を持った大物だった。
「ふむ…………彼ら特務課の安心は保証されるのかね?」
静かに問う鴎外。
ドレミーは、売り込みに成功した会社員のようにニッコリと笑みを浮かべた。
「勿論」
─────────
これがニュースに流れたポートマフィア職員死亡事件の真相ですね。
実はあのニュースが流れたのは時間軸的にはこの事件の後でした。
詳しい日時や時間軸に触れるのはご法度です(((
ドレミーはどこか思想家でありながら苦労人のイメージがあります。
そのせいでドレミーは今作わずかながら登場する幻想郷側から情報を伝えるメッセンジャー役に認定されました。おめでとうドレミー、仕事が増えたよ。
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作者名:颯貴@きっちょー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MizuhasiSatuki/
作成日時:2021年7月18日 17時