【黒バス】赤司の双子の妹は声を失っている

【十八話】 ページ21

「喋れないのか？」




何故か顔を歪ませている黒髪の男にAはその意味を理解できなかった。




同情かなんかか。




そう思ったけど、心にしまって頷いた。




すると、黒髪の男は小さくそっかと素っ気なく返事をした。




少し不安になるが、その刹那




浮いた。




車椅子からお尻が離れ、何故か浮いていた。




正確には持ち上げられていた。




「ガキの癖に苦労してんだな。でも、ここまで頑張って生きてきたなんて偉いぞ」




「ま、確かにな」




何故か心が暖かくなった。




わからない。




こんな感情は初めてでどう言う表情をすればいいのか、どう答えればいいのか




その全てがわからなかった。




けど、とても暖かかったのはわかったんだ。




暫くすると、降ろされた。




「いきなり持ち上げて悪かったな。
オレは虹村修造だ。よろしくな。

で、こっちの灰色が」




「灰崎祥吾だ。よろしくガキんちょ」




【AはAだよ・・・よろしゅく。
にじむらさんとはいざきさん】




「よろしゅくになってんぞ。あと、さんとかいらねーよ。」




「オレも堅苦しーのは慣れねーからな」




【・・・しゅーとしょー】




「「・・・・ブフォwww」」

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