私を探して【太宰治】

やるべき事 ページ39

太宰side



Aを探しに行った鏡花ちゃんと敦くん

未だ三人とも探偵社には戻って来ていない
何もなければいいのだが




国木田「太宰、少しいいか？」

太宰「ん？」

国木田「Aに書いて貰った報告書で
少し気になる点があってな」

太宰「どこだい？」




私は国木田くんからAがまとめた
ポートマフィアの報告書を見る

報告書はAらしい
とても読みやすい物だった

その中に赤いペンで線が沢山引かれた
一枚の報告書を見つけた

其処には仮面を付けた男の写真と
名前などの細かいプロフィールが書かれていた





国木田「そこに書いてある"森 隆一"って男
お前は知ってるか？」

太宰「…いいや、私がマフィアにいた頃
この様な名前は一度も耳にしたことがない」

国木田「だが"森"ということは…」

太宰「森さんと何か関係ありそうだね」





私と国木田くんが報告書と睨み合いをしてると
探偵社の扉がギィィと音を立てて開いた

中に入って来たのはとても顔色の悪いAと
Aを心配そうに見つめながら肩を貸す
鏡花ちゃんと敦くんだった





太宰「A？大丈夫かい？」

「…ちょっと、ね」

鏡花「A、一度休もう」

「うん」

与謝野「私が見てるから、鏡花は何があったか
太宰達に話して置いてくれ」

鏡花「…分かった」





不安そうにAを見つめながらも
鏡花ちゃんはAを与謝野先生に託す

与謝野先生がAを医務室へと連れて行く

扉が閉まる時に一瞬だけ見えたAは
顔は酷く青褪め、"何か"に怯えている様だった





敦「ねぇ、鏡花ちゃん。一体何があったの？」

鏡花「さっき風見にあった
其処で風見が言った"隆一"が戻って来た、と」

太宰「…もしかして森隆一かい？」

鏡花「もり？…そこまでは分からない
でも、それを聞いてからA、何か変だった
手とか震えてて…すごく怯えてた」





ということは隆一という男とAには
何らかの関係がある、と言う事か

だとしたら森さんが彼を此方に呼び戻したのは
Aを連れ戻すため、もしくは殺す為
と、考えるのが一番だね





国木田「この男の顔写真はないのか？」

太宰「ないね。他にも何枚かあるけど
どの写真も"仮面"を被ってる」

敦「一体、隆一とはどんな人物なんでしょう」





森隆一とAに
何があったのか私には分からない

だが、私のする事は明確に決まっている

私のする事は只一つ








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"Aを守る"…それだけだ

勝負→←恐怖による支配

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