人差し指は人を指さすためにあるんじゃない ページ4
「ねぇ、Aお姉さんって江戸川乱歩好きなの？」
家に向かって歩いていると、少年は聞いてきた。
ああ、さっき読んでたからか。
「うん。元々探偵モノが好きでね。読んでみたらどハマり。子ども向けのも書いてたから、読んでみたらいいと思うよ。」
「少年探偵団シリーズでしょ？僕知ってるよ！」
え、すごいな。
小学校低学年って、絵本くらいしか読まないイメージなのに。
「僕、友達と少年探偵団やってるんだ」
コナンかよ。
あ、でも探偵ごっことか、昔自分もやってたなぁ、懐かし。
「君、何年生？」
「一年生！」
手を挙げて、元気よく答える少年。
「まじで」
コナンかよ。今時の小一凄いな。
……偽名を使う理由って、まさかね。
「着いた。じゃあ本置いてくるから、ちょっとここで待ってな」
「はーい」
少年に言い聞かせて、家に入ろうとする。
すると、私がドアを開ける前にドアが開いた。
え、ウチの玄関、自動ドアじゃないよ？
「あ、お姉ちゃん早かったね」
玄関を開けたのは、妹だった。
なんだ、びっくりさせんなよ。
「まあね。今からまた外行くから、本だけ置きに。」
本を少し持ち上げて、見せる。
「お姉ちゃんよくそんなに読めるね……」と呆れられたのは、多分気のせいだ。
「あれ？そのメガネの子は？初めて見た気がする」
妹は少年の方を指した。
こら、人に指さしちゃダメなんだぞ。
本を家の中に置いてきて、軽く説明する。
「へぇ、迷子……お姉ちゃんが迷子に懐かれるとはね」
「酷くない？」
ほんと、コイツは毎度毎度姉をバカにしやがって。
「ボク、お名前は？」
妹は少年の方に駆け寄り、しゃがんで目線を合わせる。
「平井太郎！」
元気よく言う少年。やっぱり偽名は気のせいなのかなぁ？
そう思ってたら、妹が耳打ちしてきた。
「太郎君か……お姉ちゃん、この子平井先輩の親戚かなんかじゃない？」
そう思うよね。この辺、他に平井って家ないと思うし。
「それもう聞いた。違うってさ」
「まあ、平井なんていっぱいある名前だろうしね……」
妹は、うーん、と考えるポーズをとる。
「でも私、この子の声、どっかで聞いたことあるかも」
考えた末、妹は言った。
「「え、まじで？」」
私と少年は、声をそろえて言った。
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桜 - これめっちゃ現実性あるねぇ (2020年8月30日 20時) (
レス) id: 44f3b52daa (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - コナン側、主人公側、互いの立場から来る優位性のようなものがなく、また主人公の心情や周りとの関係性の変化などとても読み応えのあるものでした。読後感はどこか物悲しく、しかし確実に続編への布石を……！このあと続編の方を拝読します！ありがとうございました！ (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - サブタイトルでちょっと笑って読み始めたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれて行きました。何より他の二次創作との差を感じたのが、主人公たちのいる世界が「コナン」側の世界とまるで対等であるように描かれていると感じた所です。 (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
綺月(プロフ) - ナミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。続きは……もう少しお待ちください！ 作者としても、チーム『マクスウェルの悪魔』には、残された沢山の謎を解決してもらいたいですからね笑 いつも、感想と励ましの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。 (2020年6月30日 22時) (レス) id: a7057fda4f (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 最終回とっても面白かったです。組織の研究所みたいなことを言っていたので今度はトリップかなと続きが楽しみです。続きがどうなるのか？それとも無しなのか？出来れば続いて欲しいです。最後にお疲れ様でした。 (2020年6月29日 4時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺月 | 作成日時：2020年5月9日 0時
