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よし、平井家にいこう ページ3

「まあいいや。本当に君が平井君なら、心当たりがないわけではないし」

「心当たり?」

 少年は首を傾げた。

 ふふ、食いついたな。


「私の小中9年間の同級生(クラスメイト)に、平井って奴がいてねぇ。彼の家はこの公園のすぐ裏だ。警察に行くより早い。まずはそこにきいてみよう」

 親切そうな顔をつくって、全力でからかう。

 おとなげないかな?でも、この少年は見た目より賢そうだし。


「えぇ!?」

 オーバーリアクションで少年は驚く。

 思った以上にいい反応してくれるじゃないか。

 彼の心中は、「まずい!その平井って人が俺のことを知っているわけがない!」かな?

 それにしても何で、偽名なんか教えたんだ?

「あ、そうだ、平井って名前の人、いっぱいいるじゃない!僕、親戚の集まりで来たわけじゃないから多分知らない平井さんだと思うな〜」

 うまくごまかされたか……それもそうだしな。

 この辺で手を引いてやろう。油断するといじめっ子気質が出てくるのは、矯正すべき悪い癖だ。


「そう。ま、いいや。私も平井とはあんま仲良くなかったし」

 興味なさげに、あっさりと云う。


 この話題はもうやめとこう、そう思ったのに。

「……仲良しじゃなかったの?9年間も一緒だったのに」

 こいつ、掘り返してきよった。
 なんか、ため息つきたくなるわ。

 子供の相手って、こういうところが疲れる。嫌いじゃないけど。

「まあ、腐れ縁ってヤツだよ。ここらは過疎化が進んで、クラス数も少ないしね。それに、アイツは」

 言いかけて、止める。
 子ども相手に、ちょっと病みすぎだ。

「あいつは、何?」

 だから、掘り返すなって。

 そういう意味を込めても通じないのが、子供の恐ろしいところである。

 子供は恐ろしく鈍感で、残酷だというけれど。

 まあ、それは子供だから許されること。小さいうちに特権を存分に使うべきだろう。

 ニコッと人当たりのいい表情をして、少年と目を合わせる。

「いや、くだらない事だよ。話が長くなったね。悪いけど、この町、交番までが結構遠いんだ。ウチに一度、荷物を置いてきていいかな?太郎君」

 差した先には、大量の本が積んであった。

 私は、今日ずっとここで、この本たちを読んでいたのだった。

人差し指は人を指さすためにあるんじゃない→←人物紹介



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- これめっちゃ現実性あるねぇ (2020年8月30日 20時) (レス) id: 44f3b52daa (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - コナン側、主人公側、互いの立場から来る優位性のようなものがなく、また主人公の心情や周りとの関係性の変化などとても読み応えのあるものでした。読後感はどこか物悲しく、しかし確実に続編への布石を……!このあと続編の方を拝読します!ありがとうございました! (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - サブタイトルでちょっと笑って読み始めたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれて行きました。何より他の二次創作との差を感じたのが、主人公たちのいる世界が「コナン」側の世界とまるで対等であるように描かれていると感じた所です。 (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
綺月(プロフ) - ナミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。続きは……もう少しお待ちください! 作者としても、チーム『マクスウェルの悪魔』には、残された沢山の謎を解決してもらいたいですからね笑 いつも、感想と励ましの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。 (2020年6月30日 22時) (レス) id: a7057fda4f (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 最終回とっても面白かったです。組織の研究所みたいなことを言っていたので今度はトリップかなと続きが楽しみです。続きがどうなるのか?それとも無しなのか?出来れば続いて欲しいです。最後にお疲れ様でした。 (2020年6月29日 4時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綺月 | 作成日時:2020年5月9日 0時

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