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一瞬驚いた表情をした赤司くんのお父さん。
だけど、すぐに元の無表情な顔に戻った。
赤父「…できない、とはどういうことかね?」
貴「…そのままの意味です。
…私は、彼とは別れたくありません。」
わがままに聞こえるかもしれないけど、
これが私の本音であって、意志だから。
赤父「これはあいつの将来にも関係があるんだ。
赤司家を受け継ぐ身としても、
今後も上の人間として立ち続ける身としても__
それが、あいつの幸せだ。
…君は、愛する者の幸せを願いたいと思わないのか?」
赤司くんの幸せ、か。
正直、私がこれからずっと傍にいて彼が幸せになれるかはわからない。
そんなの、未来の話だから。
わからない、わからないけど__
貴「…その幸せは、赤司くんが望んでいるものなんですか?」
赤父「…なに?」
俯いていた顔を上げ、真っ直ぐ前をみた。
貴「もしそれが、赤司くんの望んでいるものではないなら、それは赤司くんの幸せではないと思います。」
赤父「っ!望んでいるに決まっているだろう。」
いいえ。
もし本当に望んでいるなら、
『好きだ』
『ありがとう』
『A』
私にもう1度『好きだ』と言うはずがない。
貴「…彼の幸せを、勝手に決めつけないでください。
確かに、私と一緒になって幸せになれるかはわからない。
けど、彼は…赤司くんは、
私をまた好きだと言ってくれたんです。
そう言ってくれた人を私は、幸せにする自信があります。
…前は、自分の気持ちから逃げようとしたけど
もう、逃げません。…逃げたくないんです。」
赤父「…」
ふと赤司くんのお父さんを見ると、
驚いたような、呆れたような、
なんとも形容しがたい表情になっていた。
貴「っ!えっ…と、急にすみませんでした!
あの…だけど、私の気持ちは伝えときたくて__」
赤父「……君は、おもしろい人だね。」
貴「……え?」
おもしろい…?
今の言葉にそんな要素あったっけ?
いやたぶん1mmもないと思うんだけど…
赤父「…私は、中途半端なものが嫌いでね。
やるなら全て最後までという主義なんだ。」
貴「は、はぁ…」
やっぱり赤司くんに似てるんだなあ。
赤父「だから、_____」
その言葉に私は驚きと嬉しさを隠しきれなかった。
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なみだうさぎ(プロフ) - Aimerさん» ありがとうございます!! (2016年7月29日 10時) (レス) id: beb0875317 (このIDを非表示/違反報告)
Aimer(プロフ) - 小説読みました!!すごく面白かったです。これからも楽しみにしてます。 (2016年7月10日 15時) (レス) id: 48157f820f (このIDを非表示/違反報告)
☆wkn☆(まさかの偶然www) - なみだうさぎさん» wwwwそうですよねwwお気持ちお察しいたしますww← 大胆な赤司様も素敵…(真顔)←← (2016年5月28日 10時) (レス) id: 741b238ec7 (このIDを非表示/違反報告)
なみだうさぎ(プロフ) - ☆wkn☆さん» お久しぶりです!私の方も書いててニヤついてしまいました笑笑 (2016年5月15日 20時) (レス) id: beb0875317 (このIDを非表示/違反報告)
☆wkn☆ - 赤司いいいいい!!(*ノωノ)いきなり大胆になりやがって…!そんな子に育てた覚えはないぞ?!← あ、なみだうさぎさん!お久です(^^♪ (2016年5月12日 18時) (レス) id: 741b238ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎ | 作成日時:2016年3月4日 18時