今世もあなたの恋人になりたいのです (ページ9)

今日:2 hit、昨日:22 hit、合計:3,158 hit

9 ページ9

一度家族について話してから、エラは少しずつ自分の家族について話すようになった。

厳しい両親のこと、
母方の血筋が旧貴族の血を受け継ぐ家柄であること、
常に完璧にと育てられたこと、
両親の仲が悪いこと、
両親が魔法を否定し受け入れてくれないこと、
小さな頃から不思議な出来事が起こる度、怒鳴られ次第に無視されるようになったこと…

聞けば聞くほど、マグル生まれと純血、その生い立ちは全く別なのに、お互いに家に縛られる俺たちはどこか似ているような気がしてならなかった。

彼女が打ち明けてくれる度、俺も自分の家族についてひとつひとつ話していった。
彼女がたまに相槌を打ちながら、静かに話を聞いてくれるのが、とても心地が良かった。
そうやって話すうち、自分でも気づかなかった気持ちに気付かされていくようだった。

そして、あっという間に月日は過ぎて、エラは3年生、俺は5年生になった。
あれから2年がたって、エラももうすっかり魔力酔いを起こさなくなっていたが、俺たち2人の週に1度の交流は続いていた。

それに加えて次第に普段も話をするようになり、夕食の席を共にすることもあった。

読書好きな彼女は、図書室で出会ったというエバンズと仲良くなったようで、エバンズを追いかけまわす、ジェームズも交えて話をするようになっていった。

気づかないうちに、彼女は間違いなく俺の大切な人になっていった。