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それからの毎日はただ"幸せ"、その一言に尽きるものだった。
彼女と想いが通じるまでは、初めての感情に振り回された俺だったけれど、彼女と付き合いだしてからは毎日が幸せすぎて、悩む暇もなかった。
勝手に言い寄ってくる女は沢山いたけれど、ちゃんと付き合うのは彼女が初めてで、彼女と2人で沢山の初めてを経験した。
俺が卒業した後、彼女と離れなければならなかった2年間は、どうしてあと2年遅く生まれなかったのかと後悔するほど辛かったが、彼女が卒業した後は2人で暮らし始めて、その時の俺は世界一の幸せものだった。
彼女は相変わらず体が弱くて、度々体を壊したけれど、
婚約の際に正式に魔法契約を結び、彼女の魔力を俺に分け続けることで、あまり長くは生きられないはずだった彼女とも、そう短くはない人生を2人で歩んでいけるはずだった。
少なくともその時の俺たちは、そう信じて疑わなかった。
そこで、幸せな回想は終わりを告げた。
ここから先は思い出したくも無い。
いつまでも起きてこない俺を呼びにきたレギュラスに、俺は渋々気乗りしないパーティへ行く準備を始めたのだった。
長くなりましたが、ここでシリウス過去回想編、終了です。
ここからのお話は主人公であるエリーの今世であるエレノアに移るのですが、
その前にキャラ設定がややこしくなってしまったので、
次回のお話で整理しておこうと思います。
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作者名:Miharu | 作成日時:2024年3月9日 20時