上手の鷹が爪隠す【黒バス】

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〜 過去編 〜
未弥side


初めはね、些細な事だった

たまたまアタシのハンカチが加那と被っちゃってて…
それもアタシの方が後に買ったから、
加那は未弥にパクられたっていう噂を流したの


それ以来アタシが物を買う度に加那と
被っちゃって…。明らかにあっちはわざとなのに
加那は未弥に”わざと”パクられたっていう噂を
次々と流した……


もうその時点でも孤児院でのアタシのイメージは
悪かったのに

それくらいじゃ、物足りなかったみたい


アタシの新品のペンを見て強請ってきた


「勿論、無理に決まってんじゃん」と言い返したにも関わらず彼奴は顔を歪めた後、大声で叫んだ



「 きゃあぁぁあぁぁ！！！誰か来てぇぇええ！！」

その時のアタシは何が起こったのか分からなかった


ドタドタ
「どうしたの？って、加那ちゃん？！なんで
泣いているの？！」

加「ｸﾞｽｯ…未弥ちゃんがぁ、加那のペンを無理矢理
奪った上にこの事は誰にも言うなって脅してきたの…！」


…はぁ？

何言ってんの、此奴

未「あんた何言ってんの？強請ってきたのは
そっちだし、いきなり叫んだのもあんたじゃん。」


だが、彼奴はこう言った

加「…なんで、そんな嘘つくの？未弥ちゃんが…！未弥ちゃんが無理矢理奪ったんじゃない！」


彼奴のその一言で周りは彼奴の事を完全に信じた

まぁそうだろうね、周りから見たら

泣いている加那が正義。
ペンを持っているアタシが悪者にしか見えないと思う

でもアタシは納得出来なかった


だから、この現実から目を背けるように
アタシはそこから駆け出した






本当の地獄はここからだったのに

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