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Aさん視点
いきなりの事に思考が追い付かない。
ただ視界いっぱいに先輩の制服が映るだけ。
あ「あの……せ、せんぱ」
御「ちょっと黙って」
あ「!」
低い声に制されて、漸く私は
御幸先輩が私にしてることを理解した。
あ「………。」
御「手嶋」
あ「なんですか」
御「……何でもない」
頬が紅潮してくのを感じる。
・
あ「また誤魔化して…」
御幸先輩のいい匂いが強くする。
顔だけじゃなくて身体中が熱い。
御「ごめんな」
・
何で抱き締められてるのかなんて分からない。
ただ、この上なく幸せな感じ。
あ「御幸先輩…」
そっと手首を解いて先輩の背中にまわす。
先輩もまた空いた片手を私の背中へまわした。
私を抱く腕に力が入る。
御「………手嶋」
あ「………。」
このままでいい。
・
・
このままがいい。
・
・
・
だから何も言わないし何もしない。
あ「…これがサボりテクですか」
御「そうかも」
あ「なるほどです」
嘘だと分かってながら否定しない。
・
今の私は、今までの私とは違うみたいだ。
御「手嶋の鼓動が聴こえる」
あ「先輩のだって聴こえてます」
御「気のせいだよ」
あ「気のせいじゃないですって」
ぽふっと私のつむじに先輩が顔を埋める。
擽ったくて変な感じ。
あ「…禿げます」
御「禿げねぇって」
照れ隠しにそう言ったのに
先輩は全然止めてくれない。
別に止めて欲しい訳でもないけど。
御「すげーいい匂い…」
あ「変態ですか」
御「そうかも」
くすくすと頭の天辺から笑い声。
本当に擽ったいです先輩。
負けじとすんすんと匂いを嗅ぐ。
・
あ「…先輩は、懐かしい匂いがします」
御「どんな匂い?」
あ「お母さんみたいな匂い…」
御「俺、女じゃねーよ」
あ「知ってますよ」
割烹着姿の先輩を想像して
思わずちょっと吹き出した。
御「いま変なこと考えただろ」
あ「いえ別に」
御「手嶋やらしー」
あ「っな!そんなこと……」
と上を向けば迫ってくる先輩の顔。
段々先輩の瞼が下に下りてく。
・
あ「………っ」
ぎゅっと条件反射で目を綴じると
・
御「いいこ」
・
そんな声が聴こえて
先輩の熱い唇がそっと額に触れた。
あ「………っひゃ」
御「手嶋顔真っ赤」
***
※付き合ってません。
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ココア - 私も続きが気になります!黒糖団子さんもMIYANO助さんも頑張ってください!更新される日を楽しみに待ってます! (2017年8月8日 23時) (レス) id: 97c48ff0e2 (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - キュンキュン、ドキドキしながら読ませて貰ってます!!!更新はもうされないのでしょうか?していただけるならその日を楽しみに待ってます!!!これからも頑張ってください♪応援しています!!! (2017年4月20日 22時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
乃野七 - 101個目の評価させていただきましたー!読んでてドキドキしてしまいます♪これからも更新頑張ってください! (2015年11月5日 16時) (レス) id: ba48368a7e (このIDを非表示/違反報告)
いたりあんぷりん(プロフ) - こんにちは!合作ということで敬語になりますが.....見るの遅くなってすみません!お二人の作品はいつも愛読させていただいております(*´ω`*)あの素敵なトプ画ですがどうやって作っているんですか?お二人とも頑張って下さい( *・ω・)ノ (2015年10月19日 23時) (レス) id: 810e1796cb (このIDを非表示/違反報告)
紅魔(プロフ) - は、春っち君…!?この小説で春っち君が出てきてくれるなんて……!!私も春っち好きです!! (2015年8月29日 0時) (レス) id: ba8e09d0b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MIYANO助&黒糖団子 x他2人 | 作成日時:2015年8月15日 16時