16の思春期:3 (ページ7)

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突然の洋ちゃんからの指名。

急すぎて、思わず大きな声で
返事を返してしまった。

そんな私を洋ちゃんは

お前、声でけーよ！と小さく笑いを漏らした。

『わ、笑わないでよね！！』

洋ちゃんの反応に
仄かに顔の熱が集中して、羞恥心が芽生える。

「お前、緊張し」

『してないから！！もうっ！
取り敢えず、この子連れてくよ！！』

強気で反論した後
笑われた事への恥ずかしさを紛らわす為

私は、まだ座ってボーッとしている降谷君の
手を掴もうと自らの手を伸ばした。

だけど

その手は、御幸さんの手によって憚れた。

『えっ？』

「悪い倉持。宮脇に俺、用事あんだわ。
だから降谷はお前が連れてってくれね？」

「はぁ？」

まさかの発言に
一瞬で顔つきが変わる洋ちゃん。

2人の間にピリピリした空気が流れ込む。

「言ってる意味が、分かんねー」

「もう一度言ってやろうか？
倉持君は、降谷を監督の所に連れてけって話。
俺は宮脇に用事あるから」

そう言って、私の肩を抱き寄せ
視線を向ける御幸さん。

目が合った瞬間、心臓が煩くリズムを刻む。

『えっと、あの・・』

「宮脇も俺に用事・・あんだろ？」

小さく、低く囁かれた言葉は
私の思考回路を、真っ白に染めあげた。