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降谷くん探しに、洋ちゃんの後を追いかけると
いつの間にか、室内練習場に辿り着いた。
部屋の一角に置かれたベンチに
1つの大きな人影。
その正体をつきとめるべく、近寄ってみると
見知らぬ男子が
気持ち良さそうに熟睡していた。
「やっぱりな」
洋ちゃんは舌打ちを軽くし
寝ているであろう男の子を強引に起こした。
「おい降谷!!
御幸がいねーからってサボってんじゃねー!」
「んっ・・」
いつも以上にイライラしてるのか
乱暴に起こす洋ちゃん。
痛そうな声を上げる降谷くんを見ていられず
私は慌てて駆け寄り、止めに入った。
『ちょっとちょっと!!
やり過ぎだよ、洋ちゃん!!』
「うるせー!!
こうでもしねーと起きねーだろ!!」
もうひと蹴り!と言わんばかりの気迫。
恐るべし、野球部の格差社会。
『兎に角、落ち着こう?ねっ?』
落ち着かせようと声を掛けてみるも
逆にヒートアップする洋ちゃん。
本当に困った。
いつもの冷静さは何処へやら。
一向に止む気配を見せない洋ちゃんに対し
段々、止める気力が失せて行くのを感じる。
はぁ・・面倒くさっ
呆れた思いを吐き捨てる様に
溜息を吐き捨てれば、背後から
「お前等、何やってんの?」
何処かに消えた筈の御幸さんが
呆れた眼差しで、扉に寄りかかり
私達を見つめていた。
『御幸・・さん』
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作者名:yun* | 作成日時:2016年8月6日 21時