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御幸さんの姿を見送った後
急いでグラウンドに戻ると
「あっ、宮脇さん」
春市君が、少し慌てた様子で駆け寄って来た。
『どうしたの?』
「降谷くん見なかった?」
降谷?
『いや、見てないけど』
名前を言われた瞬間、ピンと来なくて
困った表情を浮かべる私に、春市君は
「もしかして、降谷くん自体を知らない?」
察した様に渋々と問いかけた。
そんな彼に、軽く頷づき合図を送れば
更に困った様子を見せる。
3ヶ月経つにも関わらず
名前と顔が一致しない時点で
マネにとってはあるまじき行為。
本来は把握しておくべき事だが
人の名前と顔を覚えるのは不得意分野
の私にとっては酷な話だったりする。
『覚える様にします。』
深々と頭を下げる私に
春市君は、困りながらもフォローを入れた。
「だ、大丈夫だよ!
それに降谷君は、違うメニュー熟してて
あまりチームにいないし!」
「降谷がどうしたって?」
春市君と話してた筈なのに
いつの間にか、違う誰かが加わって来た。
その声に導かれる様に、下げてた頭を上げると
汗をタオルで拭っている洋ちゃんが
私の直ぐ右横に立っていた。
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作者名:yun* | 作成日時:2016年8月6日 21時