16の思春期:3 (ページ14)

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一瞬何が起こったか分からなくて
私の思考は一時停止。

さっきまで、距離があった私と御幸さん。

だけど今は、その距離すら無く
私は彼の腕の中にいた。

何故、この状況に陥っているのか理解出来ず
内心パニックを引き起こしている私は
若干震える声で、彼の名を呼んだ。

『あ、あのー・・御幸さ』

「宮脇、このまま話聞いて」

いつにもなく、真剣なトーンで話す彼に
私はこれ以上は何も言うことが出来ず
ただ、頷くしかなかった。

「幼馴染みだから難しいかもしれねーけど
倉持と、これ以上関わんな」

『は？』

洋ちゃんと関わるな？

御幸さんの唐突発言が更に、脳内を混乱させる。

『ちょっと、御幸先輩の言葉の意味が
理解出来ないんですけど』

「そのままの意味、わかんなんねーか？」

わかんないよ・・そんなの。

さっきの3人のやり取りを考えただけで
お腹一杯なのに、畳み掛ける様に
意味深な発言をする御幸さん。

この彼の言葉が、また私を
悩みの渦の中へと引きずり落として行くんだ。

これ以上なにも考えたく無い。

その思いが先行してか、御幸さんの腕から
逃れようと必死に抗う。

私の抵抗が可笑しかったのか
御幸さんは、さっきまでの真剣なオーラから
いつもと変わらない、おちゃらけた雰囲気に
戻っていた。

『兎に角、私の事はお構いなく！』

「なに照れてんだよ。
もしかして、俺に抱きしめられて
ドキドキしてんだろ？」

『全然してないんで
いい加減、離れてください！』