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「え、21時過ぎてる…。」


食器を全て洗い終わりタオルで手を拭くニキさんも視線を時計に向けていた。


「時間を忘れて長居してしまいすみませんでした!しかも出会ったばかりだと言うのに…。」


慌ててソファーの横に置かれていたバックを手に取り
ニキさんと燐音さんに頭を下げて玄関に小走りで向かう。


いやいや全然大丈夫!…ってわけじゃないんすけど…。


お見送りをするためだろう。
私の後ろを歩きながらニキさんは謎のテンションで話す。


一方、燐音さんはソファーから動きもせず
バラエティ番組に見入っているようだ。




「遅いし暗いんで送って行きましょーか?」


とニキさんは声を掛けてくれた。


なんて優しいのだろう。



本当は暗いの嫌いだし正直言って怖いから有難かったが


「いや大丈夫です。お気持ちだけ受け取っておきますね。」


悪いから断った。




靴を履きぺこりと礼をしてドアを開ける。
と何だか見覚えのある住宅街が目に入り思わず声を上げた。



「…え!?」



どうしたんすか?というニキさんの声を無視して
パッと目に入った階段を一気に駆け降りる。


背後から同じようにして駆け下りてくる音が聞こえる。


どうやらニキさんも一緒になって降りてきたようだ。


階段を駆け下り駐車場から建物を見上げる。



「や、やっぱりそうだ。」



何だか見覚えがある建物だと思ったら
私の住んでるアパートだった。

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作者名:ミヤノ x他1人 | 作成日時:2020年9月4日 0時

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