ハマの便利屋､参上!!!【MTC】

可愛いに脊椎ぶっ刺して生きてる ページ9

いつもよりもムスッとした左馬刻をよそにAさんは俺との会話を続ける

『あっ､私の方が年下なんで､"さん"とかなくていいです!あ､いや､やっぱり銃兎さんのお好みでどうぞ!!』

銃｢そうですか｡では､A｡私の事も名前で呼んでいただけませんか?今日の会話で1度も名前を呼んでくれていなかったので｣

『ありゃ…バレてました?じゃあ､銃兎さん｡ご依頼お待ちしております』

銃｢えぇ､では近いうちに｡…左馬刻､今度は絶対覚えとけよ｣

左｢うるせー｡ほらさっさと行っちまえ｣

左馬刻の雑な見送りとAの見送りで俺は自分の職場に戻った

俺は､今日のあの数十分で新たなツテ兼癒しを手に入れた



ーーーーー




『入間銃兎様でお間違いないでしょうか?初めまして｡ハマの便利屋､神舎です』

これには正直ビビった

銃｢えぇ､私が入間です｡…初めまして｣

『本日のご依頼はどのような内容でしょうか』

俺は多少動揺しながらAに1枚の紙を手渡す

銃｢私にこの方の情報を流して欲しいのですが｡もちろん合法的な方法で｣

『"合法的な"…｡はい､了解です』

Aに初めて依頼を入れて､仕事中の本人と会ってみれば､フルネーム様付け､営業スマイル､そしてこの塩対応

初対面の時より他人行儀になってないか?



ーーーーー



Aから折り返しの連絡が入ったのは依頼をしてから半日経ったか経たないかくらいで､それなのに情報の質は最高だった

銃｢どうも｡この短時間でよくここまで…｣

『地域最速を目指してますので!』

いや…｡地域どころか業界最速を語ってもおかしくないスピードだぞ…

左馬刻がなんで私情抜きで何度も依頼するのかが分かる

Aに依頼料は手渡しで｡と言われていたので､依頼料が入った茶封筒と､一緒に白い箱を渡した

『ありがとうございます｡…これは?』

銃｢ここのカフェ､ショートケーキがとても美味しいと評判なので買ってみました｣

『わぁ…!…あのっ…失礼でなければ今ここで食べても…!』

銃｢どうぞ召し上がってください｡代わりにチョーカーを外していただけると嬉しいのですが｣

Aは俺が言うが早いかチョーカーを外し､キラキラとした表情でショートケーキを口に運んだ

『っ!!銃兎さん､ありがとうございます!!これすっっっごく美味しいです!』

銃｢は?可愛いに脊椎ぶっ刺して生きてんのか?(それは良かったです｡)…あっ｣

本音がここまで綺麗に漏れたのは俺史上初かもしれなかった

拗ねとき様→←裏まで一直線

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す