【ハイキュー！！】一人ぼっちの飛ばない烏 ２

47 :美咲ねえちゃん ページ2

美咲姉に指を差されて僕の注目度は物凄く上がったと思う。


いや、僕としてはこの上なく迷惑だが。


「おい、黒鳥……‼」


嫌な予感満載で声のする方を見ると西谷さんと田中さんが仁王立ちしていた。



「あの、爽やか美人なマネは誰だ、知り合いか？」

西谷さんの言う事はくだらないけど顔だけは凄く真剣だ。失礼だけど。


「青城にマネが…居るだと…⁉」



田中さんは青城にマネージャーが居た事にショックを受けているようだ。



…正直何処にショック受ける所があったのか全く分からないけど。




「…確かに美咲姉は顔整ってますけど幼馴染としてはあの人は恥そのものです」




美咲姉は凄く怪しげな本を僕の家に持ち込んでは、部屋の隅っこで「ふ、ふ腐腐腐…」

と言って、不審者極まりない行動をとっている。



実際見てしまうと目を覆いたくなる。



「みさきねぇって言うのか？あの人！」


ぴょんとはねた髪をふわふわ揺らしながら翔陽は聞く。



「いや、違う、翔陽。美咲って言う名前はあってるけど、美咲姉っていう呼び名は昔からの癖だから」



くせ…？と翔陽は呟き、少し考えて、はっと反応した。


「じゃあAのお姉さんか？」

「違う。全くの他人だよ。まぁ、姉的存在ではあるけど」



確かに美咲姉は美人だ。


そこは認めるけど、中身は色々と残念なのだ。



腐女子だし変態だし頭悪いしスタイル悪いし((略


「ところでA！ちょっといい？」


美咲姉が笑顔で手招きする。



仕方なく美咲姉の所に行くと、僕の耳にこっそり話しかけてきた。



何か重要で聞かれてはならない事なのかと少し焦る。



「あのさ、あそこにさ、イケメンさんいるじゃん？」



「…あぁ、あの髪の毛ちょっとツンツンしてる人の隣のちょっとナルシストっぽい人？」


「そうそう。あ、Aは性格がツンツンしてるけどね！」


「シバくよ」


「まあまぁ、そのツンツンしてる人、岩泉さんって言うんだけど、その隣が主将の及川さんなのね」



し、主将？あのチャラそうな人が？


その岩泉さんの方が主将に似合ってるんじゃ…



「…それで、何が言いたいわけ？」

「…あの二人さあ…」


そこで少し間を置く美咲姉。




そして意を決したように言葉を紡いだ。





「岩及か及岩、どっちがいいと思う？」





「…………。」




「あだっ⁉」






取り敢えず美咲姉はシバいておきました。

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