#56. 倉 side ページ6
やっと帰って行った大学生。隣のクラスのお化け屋敷の列に並んだ
その少し後、疲弊しきったAが教室から出てきて荷物の置いてある倉庫へと向かっていく。2人で聞いたが『サボる』と一言だけ残し、倉庫の中へ。
「疲れてんだろうな」
「俺らに比べてハードだしな」
2人でそう話し、納得していた
そんな時、隣の大学生の順番が来たらしく中へ入っていく。もうそろそろ昼飯時、遊びに行きたいけど頑張らねぇとと伸びをして気持ち的にスッキリした時、「きゃー！！」と隣から女子の悲鳴
その数分後先生たち総出で大学生5人を引きずってどこかへ向かって行った
野次馬が集まり、そのまますぐに人は散ったが目の前を通った人の話を偶然耳にした。
「女子の胸を触った」と。
摘み出された事、教えたら少しは笑ってくれるかと思い御幸に看板を強引に押付け倉庫に入った
隅で三角座りをしてボーッとしているA。相当疲れているんだろう、俺が話しても上の空で『はは、』と軽く笑うだけ。
少し1人にした方がいいかと思い立ち上がろうとした時、俺の頬にAが触れた。
「…A？」
『すぐ終わるから口開けろ』
真面目なA。言われた通り口を開けると、整い綺麗な顔が近づき唇に柔らかいものが触れた。
深いキス、床に手を付き壁にもたれるAに合わせて腰を曲げ、数十秒ほどその状態が続いた。
俺の頬に触れていた両手は首に回され、離れないようにと腕で固定されている。
「…どうしたんだよ、いきなり」
口を離し、問いかけると『ふっ』と鼻で笑い俺の頭を撫でた
珍しい所じゃない。俺らはAの頬や額にしょっちゅうしていた、けどこいつは自分からいきなり口に。初めての出来事で色々分からない
『悪ぃ、無意識』
「……いや、俺は全然…」
『顔、綺麗だったから。』
告白のような一言、Aはそんな気一切無いんだろう
口を拭いもせずどこか満足そうな表情をしていた。まだメイド服のA、余計いけないことしている気分になり心臓が早くなる
『俺寝る！終了時間になったら起こして』
「は、おい…！おい！なんだよお前自分勝手な、」
『…俺も叫べばよかった、倉持。もっかい、』
俺に背を向け目を瞑っていたAが振り向き、片手を伸ばす。俺も俺で好きだから先程同様2度目の深い口付。
『ありがと』と礼だけ述べてまた背を向けたA。
頭を撫でて立ち上がり、倉庫を出る。御幸に持たせたままどのくらい時間が経っていたんだろうか。
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作者名：宮
| 作成日時：2022年8月3日 1時
