#71. 〃 side ページ21
放課後の部活は無く、皆寮の食堂に集まりガヤガヤと各々楽しそうに話していた
マネが料理を作ってくれて、それを食べながらあーだこーだと色んな話を20時頃までしていただろう。
外はすっかり真っ暗になっており、星がキラキラと輝いている。
今頃Aはお兄さんと楽しんでいるんだろうか、そう思いながら部屋へ向かい服を持ち倉持と風呂へ向かった。
「なーんもなかったな」
「俺らが勝手に期待してただけだからしょうが無い」
「でも沢村達にはチョコ渡してんのに、俺らに何も無いってどうよ」
「ちょっと不満ではあるけど」
そんな話をしながら脱衣所で服を脱ぎ、風呂へ入る。
あと少しで冬休み、Aはさらに浮かれるんだろうなと想像してふっと笑う。
風呂も上がり飯を食べて数時間、ちょっと食いすぎたかなぁなんて思いながら寝る為倉持と別れ、階段を上る。
一人部屋、気楽でいいが偶に少し寂しくなったりもする。
今日も扉を閉め、すぐにベッドに横になった
▽
「…朝か」
ピピピ…と言う目覚ましの音で目が覚める。
体を起こし、グッと伸びをしてカーテンを開くと日差し部屋を明るく照らす。
顔を洗いに行くため振り返ると、ベッドの方に何か違和感。…ピンクの袋が俺の枕元に置いてあった。
なんだと思い手に取って中を覗く。
黒色のバッティンググローブだった。なんでここに、不思議に思っていると階段を駆け上がる音と共に扉がいきなりバンッ！と大きい音を立てて開いた。
「御幸お前置いたか…？！」と焦った様子の倉持。
手には新品と思われる靴。
「いや…、俺も置かれてて」
「お前じゃねぇのか…じゃあ誰が、」
「分かんねぇ…名前も無いし」
「…てか、鍵くらい閉めとけよ。不用心だな」
少しの沈黙の後、倉持が扉を叩いてそう言った。
昨日鍵閉めないまま寝てしまったのかと思い返すが、眠かったのかあまり記憶が無い。
一旦後で話そう、と立ち上がり顔を洗いに下へ降りる。ついでに朝飯も。
「御幸先輩、気付きました？プレゼント」
「…ん？ああ、気付いたけど…。何、沢村が置いたのか？」
「あっ、いや、置いたのは俺っすけど違いますからね、買ったのは俺じゃないですよ？！」
なにか知ってそうな沢村。失言してしまったと焦っている所を倉持が関節技をキメる。するとすぐに白状した
「瀬乃先輩からっすよ！！」と。それを聞いて驚きで倉持と2人目を丸くした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：宮
| 作成日時：2022年8月3日 1時
