第一話 ページ25
ラプンツェルの髪を避けながら、荻原は赤司を見やる。
赤司は扇子を広げ、扉の方を見ていた。
荻原「?」
赤司「……来たな」
バン、と音をたて扉が開く。
現れたのは、緑間と高尾。
赤司「やぁ、時間通りだね」
緑間「分かっていたくせに…」
緑間は高尾の手を引く。
高尾は虹村、荻原の姿を見ると、顔色を変えた。
緑間「高尾、頼む」
高尾「…え?」
緑間「お前は、モエという少女を知っているだろう」
虹村の息が一瞬、止まる。
モエ。虹村の妹。だが、すでに故人。人形として過ごしていたが、原の能力にて破壊された。
虹村「モエを、知っている…?」
高尾は少し顔を歪め、
確かに、頷いた。
高尾「あの子なんだよ、あの能力者は」
虹村「は?」
能力者。
確かに高尾はそう言った。
虹村「モエが能力者…?あいつは無能力者のはず」
高尾「彼女の能力は、形として現れない」
黒子や黛のような具現化能力ではない。
高尾や桜井のような物質を操る能力でもない。
高尾「あの子は、____願いを叶える代わりに代償を払う能力が宿ってしまったんだ」
赤司「やはり、か」
虹村「!!!!」
虹村は高尾の肩を揺さぶった。
虹村「モエがその能力者だった!じゃあ、何を願い、支払った!?」
高尾「……それ、は」
言葉を濁す高尾。
高尾「…彼女は、貴方を救うために能力を使い、代償として自分の命を差し出した」
虹村「なん、だそれ……」
ラプンツェルの髪がギギギ、と遅くなる。
虹村「俺のため?」
高尾「彼女がいなくなる前、貴方、能力で生死をさ迷いかけたらしいですね」
虹村「!」
高尾「貴方の能力が暴走し、お伽噺に消されかけた時、彼女は能力を使った。
兄が助かる代わりに、自分をお伽噺に食われるという願いを叶えるために」
もはや、虹村に正常な思考は無かった。
妹は、自分のせいで死んだのだ。
昔、マフィアという形が未完成だった頃。
虹村は任務で敵を倒していた、その時、能力が暴走してしまった。
本から溢れ出すお伽噺の人物、
皆、目は赤く、虹村を睨みつけていた。
虹村は、焦り、能力を解こうと試す。
が、その隙にバッドエンドの赤ずきんがナイフを構え、虹村の喉を貫こうと、目の前にいた、
「【流星は緋色に散りゆく(ステラ・スカーレット)】!!!!」
目を開けると、妹は、喉を貫かれていた。
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らすとうさぎ(プロフ) - りんごあめさん» ほわぁぁ!!ご感想ありがとうございます!!!! (2018年5月4日 19時) (レス) id: 10e68c6278 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 面白すぎですね! 私どっぷりはまっちゃいました。更新楽しみにしてます(o^^o) (2018年5月3日 23時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
らすとうさぎ(プロフ) - 黒桜 亜琉麻さん» ありがとうございます!!頑張ります!!!! (2018年4月25日 19時) (レス) id: 10e68c6278 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - らすとうさぎさん» 少しずつでもいいのでゆっくりでも構いません!毎日が楽しいので、読んでいるだけで楽しいです!頑張ってください! (2018年4月25日 18時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
らすとうさぎ(プロフ) - 黒桜 亜琉麻さん» そう言ってもらえると嬉しいです!熱心な人がいてくれると、やる気も出てきます!こんなごちゃごちゃしたお話に付き合ってもらい、ありがとうございます!! (2018年4月25日 16時) (レス) id: 10e68c6278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らすとうさぎ | 作成日時:2018年4月22日 21時