第十九章 嗤う少年 ページ24
少年は目を動かす。
右では降旗が能力を解放し、広場を水の底に埋めていた。
少年は目を動かす。
左では花宮が原、瀬戸を受け止めていた。
少年は目を動かす。
上では宮地と葉山が古橋の体を床に押さえつけていた。
「ほら、もうチェックメイトだよ」
むす、と不服そうに頬を膨らます。
「…そうだ!いいこと思いついた」
少年は無邪気な笑みを浮かべ、地上に降りた。
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赤司の袖から仕込み刀が現れる。
虹村の懐から銃が抜かれた。
荻原がオレンジをかじる。
三人の目が同時に光りだした。
赤司の刀を虹村が銃を使い押さえ、虹村の出した手榴弾を荻原がナイフで貫き、荻原が構えたナイフを赤司が扇子を使い弾く。
虹村「ほぉ?」
荻原「やりますね」
赤司「そちらこそ」
一度離れ、向き合う。
虹村「長引くのは嫌いでな、本気でいくぞ」
赤司「望むところです」
荻原「お手柔らかに」
虹村の手に一冊の本が握られた。
本の大量の紙を破り、上に投げ捨てた。
虹村「【汚れた涙の滴となり】」
ぶわぁぁぁ、と音をたて、紙が舞う。
虹村「【塔の上のラプンツェル】」
紙の中から現れた、美しい金髪を結んだ少女。
髪は一瞬でほどけ、蛇のような動きで赤司、荻原に襲いかかる。
赤司は刀で髪を斬り落とし、
荻原はナイフで髪を弾いていく。
荻原「…面白い能力ですね」
赤司「さすが虹村さんの能力。種類が増えましたね」
虹村修造____汚れた涙の滴となり。
お伽噺の世界と繋げ、特殊な能力を持つ人物を具現化する。
ただし、虹村が具現化できるお伽噺は、全て不幸な終わり(バッドエンド)である。
例え、幸せで終わるお伽噺でも、存在するが無くされた不幸な終わりを迎えた人物の魂を具現する。
赤司「今回はラプンツェルですか」
虹村「あぁ。王子に愛されなかった、哀しい女の子のお伽噺さ」
虹村は金髪に口を落とし、再び髪を靡かせようとする。
赤司「やれやれ」
赤司は苦笑し、刀を仕舞う。
扇子を開き、虹村を睨みつけた。
赤司「僕を、舐めすぎですよ」
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らすとうさぎ(プロフ) - りんごあめさん» ほわぁぁ!!ご感想ありがとうございます!!!! (2018年5月4日 19時) (レス) id: 10e68c6278 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 面白すぎですね! 私どっぷりはまっちゃいました。更新楽しみにしてます(o^^o) (2018年5月3日 23時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
らすとうさぎ(プロフ) - 黒桜 亜琉麻さん» ありがとうございます!!頑張ります!!!! (2018年4月25日 19時) (レス) id: 10e68c6278 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - らすとうさぎさん» 少しずつでもいいのでゆっくりでも構いません!毎日が楽しいので、読んでいるだけで楽しいです!頑張ってください! (2018年4月25日 18時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
らすとうさぎ(プロフ) - 黒桜 亜琉麻さん» そう言ってもらえると嬉しいです!熱心な人がいてくれると、やる気も出てきます!こんなごちゃごちゃしたお話に付き合ってもらい、ありがとうございます!! (2018年4月25日 16時) (レス) id: 10e68c6278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らすとうさぎ | 作成日時:2018年4月22日 21時