第九話 ページ23
中村「いいか降旗」
中村の微かな声が耳に入る。
中村「俺達の能力は神様の力を借りてる。お前は水、俺は風」
山崎の鎖が襲いかかる。
中村「だから、受け入れるんだ」
降旗の目が一瞬、青く光った。
中村「己の能力を。人生を。
そして、これは自分の力だと」
降旗は頭のどこかで、否定していた。
自分の能力は、自分らしくない。
自分の人生は、自分らしくない。
普通、平凡、凡人を望んでいた。
だが、
降旗は違う。それは手に入らない望み。
普通なら、あやかし堂には彼はいない。
平凡なら、この戦争に参加していない。
凡人なら、
彼は一族の為に、仲間の為に戦わない。
山崎「ごちゃごちゃ煩せぇ！！」
鎖が中村の足に巻き付く。
呪いがじわりと染み込む感覚。
中村は顔を歪めた。
実渕「中村！」
中村「いっ…！…へいき、だ！！」
風の鎌鼬で鎖を斬りさく。
しかし呪いは進行している。
黛の体も、黒く染まっていた。
山崎「二人になろうが、俺には敵わない。
神様の能力でも、俺の呪いには敵わないんだよ」
中村「違うね。確かに俺達の能力は、神様の能力だ」
中村の足元から風が舞い上がる。
中村「その前に、俺達の能力は」
________ぶわっ
風が広場を囲い始めた。
中村「一族の、誇りだ！！！！！！」
降旗の指が動いた。
降旗「水の神・ｱｸｴﾘｱｽ！！！！」
風の檻が完成すると共に、
空から水がぽたりと垂れてきた。
黛と実渕は空を見上げた。
降旗「受け入れるよ！！俺が普通じゃないことも！！」
ぼたぼた、と水は威力を増した。
山崎「…まさか」
降旗「俺が凡人になれないことも！！！！」
水は風の檻を埋めていく。
水は腰まで溜まる。
降旗「俺が人魚族なのも！！！！独りきりなのも！！！！」
山崎「雨を操っている……！！？」
視界が霧で見えなくなる。
山崎が視界を取ろうと、瞬きをした。
次の瞬間、
水の鎖が山崎の体を吹き飛ばした。
山崎「ぐっ！！！！」
受け身をとり、攻撃先を見る。
降旗の姿は、変わっていた。
体に鱗が現れ、目は青い。
山崎「人魚…」
降旗「俺が、福田を…河原を、見捨てたことも」
水の鎖が山崎の体を縛り、動きを止めた。
鎖も水の鎖に巻き付かれている。
降旗「あいつらに、感謝されたことも！！」
そして、広場は水に沈み、風と共に暴発した。
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らすとうさぎ(プロフ) - りんごあめさん» ほわぁぁ！！ご感想ありがとうございます！！！！ (2018年5月4日 19時) (
レス) id: 10e68c6278 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 面白すぎですね！ 私どっぷりはまっちゃいました。更新楽しみにしてます(o^^o) (2018年5月3日 23時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
らすとうさぎ(プロフ) - 黒桜 亜琉麻さん» ありがとうございます！！頑張ります！！！！ (2018年4月25日 19時) (レス) id: 10e68c6278 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - らすとうさぎさん» 少しずつでもいいのでゆっくりでも構いません！毎日が楽しいので、読んでいるだけで楽しいです！頑張ってください！ (2018年4月25日 18時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
らすとうさぎ(プロフ) - 黒桜 亜琉麻さん» そう言ってもらえると嬉しいです！熱心な人がいてくれると、やる気も出てきます！こんなごちゃごちゃしたお話に付き合ってもらい、ありがとうございます！！ (2018年4月25日 16時) (レス) id: 10e68c6278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らすとうさぎ | 作成日時：2018年4月22日 21時
