【黒バス】あやかし堂と魔族と女神族と

第七話 ページ11

古橋「俺の能力、感情や表情が抜け落ちるんだ」


古橋の手から生えた刀。


手は引っ掻くように、葉山の頬を掠り過ぎた。



葉山「いって…」


宮地「なんだ、あの能力」


表情の抜けた顔で、古橋は二人の視線に気づいた。



古橋「あぁ、これか？




俺の能力、【言の刃】は体の至るところに刀を生やすことが出来る」


そう言って、古橋は刀を足先に出した。


そのまま宮地に蹴りを入れようとするが、宮地が能力を使い、ドアを外す。


ドアを壁にし、受け止めた。



古橋「ただし、感情や表情と引き換えにだが」



バキリ。



音をたて、扉は壊れた。



宮地は舌打ちをし、パイプを構える。



宮地「引き換えが重いな。それじゃあ、お前は能面と似た人間じゃねぇか」



古橋「ふむ。一理あるな」



ガキン、ガキンとぶつかる音。



刀は手、足と増え、肘にまで生えていた。



宮地「だがなぁ、接近戦なら俺が上だ！！」



宮地は手をパイプで押さえ、足を自身の足を使い、身動きを取りにくくした。



古橋「！」


宮地「これなら刀は届かないな」


手、足、腕の自由を奪われる。


が、古橋は冷静だった。



古橋「馬鹿なのか？言っただろ




体の至るところ、って」



宮地は肩を刀で貫かれ、倒れ込む。


宮地「ぐっ…！」



刀は、古橋の口から出ていた。



古橋「これ、口の中気持ち悪いからやりたくないんだが」


刀を消し、手のみに刀を残す。



古橋「さて、遺言はある？」




近寄る古橋に向け、宮地は傷口を押さえながら





______笑っていた





古橋「？」



宮地「お前こそ、忘れてないよな？





もう一人の、能力者の能力を」



古橋は目を見開いた。



宮地「来い！葉山！！」



葉山「はいよ！宮地さん！」




奥に下がっていた葉山は自身と宮地の血を混ぜ込んだ。



葉山「俺の血さえ入っていれば、操作対象なんだよ！」



血は空中に浮き、弾丸に変わる。



古橋は刀を出し、弾丸を壊そうと試みる。



が、体が動かない。



古橋「！？」


葉山「言ったでしょ？




俺の血さえ入ってれば、って」



最初に葉山を傷つけた、刀。



あの刀には、葉山の血が付着していた。



古橋「わざと、食らったのか…！？」



葉山「当たりーっ、これでも元ﾏﾌｨｱ幹部なんだ」


血を操り、血の糸で古橋の身動きを制御した。



葉山「でもごめんね。…俺、主様に忠実な犬なんだぁ」



わん、と小さく葉山は鳴いた。

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