目を射る話-2 ページ4
カノに出会ったのは些細なコトだった。
母さんとケンカをして、家を飛び出した。
そしたら、そこに。同じような境遇のカノがいた。
カノは、笑顔を絶やさなくて少々気味悪かったけど、私が言えるコトではなかったから。
家を抜け出しては、カノに会って。
帰らなくてはならない時間まで話して。
思えば、あの時が1番楽しかったのかもしれない。
「ねえ、Aはさ、どうして僕だけ名字なの??」
私が、昔の余韻に浸っていると、カノがそう問いてきた。
どうして......??
そんなの、カノの名前を呼ぶのが恥ずかしいから。
そレはほんシん??
え......??
ソのことバハ、こころかラのこえなノ??
そうだ、よ......??
いいカげん、いつわルのやめたラ??
別に、偽ってなんか......、
まア、べつにいいけド
『名字呼びイヤなの??』
「別に、そういうわけじゃ......でもさ、キドもセトもあだ名とかなのに...」
『そう、、、』
カノは、悲しそうな顔をして言った。
イヤ、カノの場合は"欺いて"いるのか。
『カノ。からかうのはいい加減にして』
「からかう......??」
『どうせまた、欺いてるんでしょう??』
「っ...ははっ、Aまで...」
.次回 目を射る話-3.
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作者名:HONEY×BLOCK | 作成日時:2017年5月10日 17時