蜂蜜糖度……8 ページ10
『わかったな、わかったヤツから練習に戻れ』
「((グイッ」
いきなり、清志が私の袖を引っ張った。
『清志?どうした?』
「いや、あそこにいたら……」
___Aが壊れてしまいそうで……。
あぁ、清志。貴方は不器用だ。
とても優しいのに、その優しさを素直に伝える術を貴方は持っていない。
『大丈夫だ。それより、清志は大丈夫か?』
「なんでだ?」
『1年が言った時、とても 哀しそうな顔をしていたから』
「っふ、っっっ〜〜〜」
私がそう言ったら、清志は 私の肩に寄りかかって小さく嗚咽を零しながら泣いた。
『……大丈夫だよ。そばにいるから』
「……A、……Aっ……」
やっぱり、不器用だな。
『私の前では、溜め込まなくていいんだぞ』
「…っ、A……、おれっ、おれっ」
『今日私の家来るか?』
コクコク、と清志は頷いた。
『大丈夫だ、私は清志の味方だ』
自ら率先して、嫌われ役を買って出る清志、
その嫌われ役を演じるのは精神的にとても辛いものだ。
2年生の頃、嫌われ役が浸透し過ぎて、清志に暴力を振るったヤツがいた。
私だったら、やり返すが 清志は優しいからそんな事は出来なかった。
《清志、貴方はなんて脆いんだ……》
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紅リング(プロフ) - 3票目に☆を押しました!!これからも私の小説を読んで頂けると幸いです!! (2016年9月25日 1時) (レス) id: 335c848095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三輪レイナ | 作成日時:2016年7月26日 6時