三輪ちゃんに成り代わった件について

待ってました ページ43

「あ、起きた？」


目の前には硝子ちゃん。



……えっ、硝子ちゃん！？！？

まっっっじでかわいいんだけど。

椿油とか使ってますよね、と思うほど(多分大方使ってない)のとぅるっとぅるした黒髪に、大人っぽさを醸し出す泣きぼくろ。

極め付けは羽織っている白衣のポケットからチラリと見えるシガーケース。


だが私は三輪霞。

落ち着いたままの心で演じろ。健気な三輪霞を！！！


「えっと…ここは何処ですか？」


(((うっわやべぇ生家入硝子〜〜〜！！！)))


「あぁ、ここは東京都立呪術高専。五条と夏油が通ってる高校ってとこかな。簡単に言えば」

「東京都立じゅじゅちゅ…じゅ、呪術高専…」

「ははっ、言えてね〜。顔真っ赤じゃん。トマトみたいだよ」

「そっ、そんな！美味しそうだなんて！！」

「いや、いってないし」


何この子おもしろーい。とけらけら笑いながら口の中でチュッパチャップスを転がしてる硝子ちゃん。

私のために煙草吸ってないんだ。かわいすぎる。

よく口寂しいっていうもんね？そういうことだよね？？まぁ私煙草吸ったことないからわかんないんだけどさ！！

まぁ、子供の前で煙草吸わないのは当たり前なんだよな……でも、こういう些細な心遣いも嬉しいものなのよ。

いや、未成年が吸っていいのかっていうのは置いといて！！！


「その、あの、悟くんはどこにいるん…」


突如響く、ドアが乱暴に開けられた音。
硝子ちゃんが眉をしかめる様子を見て、あぁ、あの自称GLGが来たんだと察する。


「おいAー！！！元気ですかーっ！？！？」

「煩いよ悟。こればかりは本当に煩い」

大声をあげてずかずかと入る悟に注意する傑くん。あぁいつみても美しい…ほんとに……貢ぎたい

二人をまるで生ごみを見るような冷めた目で、硝子ちゃんは見上げた。二人っていうか悟かな。

あっ、うん悟だ。近づいて足踏み潰してるもん悟だ。

「おい五条。この子ぶっ倒れてここ(保健室)に来てんだよな？あんな焦った様子見せといてこの扱いとか正気かっ…」

「ちょっと硝子！！！！」

「むぐ、あんな焦っててむぐぐ…むう」


さしすが揃ったことに感動して、じっと見つめている。やばいって。あの絡みを実際に見れるなんて……うれしみが深すぎてマリアナ海溝。

しかし悟は焦ってくれてたのね……はぁ。


私のこと大好きかよ？？

「悟ってば、私のこと大好きだよね」

「は？」

やべ、声に出てたわ。

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