黒尾鉄朗と元NO.1 (ページ19)

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私が仮入部という形でマネージャーをしてから1週間が経った。ここまで来てマネージャーをやらないという選択肢は私の中にはもうなかった。入部届けをもらいコーチや監督、黒尾さんに許可をもらうと正式に入部することができた。

『改めて、天月Aです。知ってると思いますが観察力はすごいのでアドバイスとか欲しかったら言ってくださいね！笑』

私がそう言うと部員のみんなは｢宜しくお願いします！｣と大きな声で言っていた。

猫｢マネージャーの紹介も終わったことだし、大事な連絡言うぞ｣

猫又先生が持っていたプリントを全員に配布した。そこにはＧＷに練習試合をするといった内容が書かれていた。

猫｢ＧＷに音駒のライバルである烏野と練習試合をすることになった｣

烏野…！烏野と練習試合！

猫｢烏野との練習試合に向けてより一層練習に力を入れるように！｣

｢はい！｣

みんなは返事をすると練習に戻った。烏野…みんな元気にしてるかな。1年生はどんな子が入ったんだろう。大地、ちゃんと主将やれてるかな？まあ大地なら大丈夫だよね。

猫｢A、ちょっといいか？｣

『はい？どうしましたか？』

猫｢先生に聞いたぞ。あっちに友達がいるそうじゃないか｣

『あ、そうなんですよ！みんな元気にしてるかなぁ…』

私は自分が皐月Aであることを猫又先生にだけ言っている。何故か見透かされてる感じがしてたから。

猫｢烏野にはAがここでマネージャーをしていることは伝えてないからサプライズにしようと思ってな｣

『そうなんですね笑ありがとうございます笑』

猫｢…みんなに混じって少し練習するか？｣

『えっ、なんでですか？』

猫｢うずうずしていたからな』

私、そんなにうずうずしてた！？まあバレーやってるの見たらやりたいなーとは思うけど…

『まだバレーをするのが怖いんです』

『みんなはあんな風にしないって分かってるんですけどね…トスを上げた先に誰もいないってセッターが1番恐れていることで、トラウマになりやすいんですよ』

猫｢トラウマに…なってるのか？｣

『少しだけ、笑』

私は苦しいような笑みをうかべた。

『でも自主練はしてるので腕は落ちてないですよ！』

私は猫又先生にそれだけ言うとドリンクを作りに行った。烏野のみんなは私がマネージャーという形だけどバレーを続けているって知ったらどう思うかな。

また応援してくれますか？