黒尾鉄朗と元NO.1 (ページ2)

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ぴぴぴぴ

アラームの音が静かな私の部屋に響く。いつもならもう少し、となるところだが今日は入学式。そんなこと言ってられない！

階段をどたどたと降りていくリビングに行くとお父さんとお母さんがいた。

『おはよー』

父｢おはよう｣

母｢今日、入学式でしょ。時間大丈夫？｣

『大丈夫…じゃない！早くしなきゃ！』

私は冷蔵庫にあった飲むタイプのゼリーをぐいっと喉に流して歯磨きやら髪の毛のセットやらをして家を慌ただしく出た。

実は東京には引っ越してきたので当然まだ友達はいない。だけど多分こっちでも上手くやっていけるはずだ。前は兵庫に住んでいたので関西弁が出ないか、ということだけが心配だった。

学校までの道のりをゆっくり歩いて行ってると後ろから声がした。振り返ると身長が190cmを超えているような身長の高い男子がこちらへ走ってきていた。

…もしかして私のところに来てる？

そんな予感は見事的中。その子は私に話しかけてきた。

｢なーなー！1年だよな！｣

『え、あーうん。そうだよ。』

｢名前なんて言う！？｣

『天月Aだよ。』

｢Aか！俺は灰羽リエーフ！よろしくな！｣

身長の高い男子は灰羽リエーフというらしい。お互いの自己紹介を軽くするとハーフなんだとか。ハーフなのに英語出来ないのが悩みらしい。

『リエーフって身長高いよね。スポーツやってたの？』

リ｢んー…そういうのは特にしてない。けど部活はバレー部に入るつもり！｣

バレー…か。あんなことがあったんだもん。幼なじみには申し訳ないけど私にはもう出来ないよ。

『はは、そうなんだ。私の幼なじみもバレーやってるよ』

リ｢そうなのか？Aはやってねぇの？｣

『私は見る専だよ。幼なじみのバレー見てたからルールは少し詳しいけどね笑』

見る専なんてほんとはウソ。やってたけど今更やりたくないんだ。嘘ついてごめんね。

リ｢そーなんだ。部活入る予定はあんの？｣

『うーん…今は特にないかも。でも運動部には入りたいかな。』

リ｢じゃあ一緒にバレーやろうぜ！｣

『音駒は女バレないでしよ笑』

リ｢え、そうだっけ！？｣

『それに私、球技は苦手なんだ』

リ｢そうなのか…｣

リエーフは私がそう言うと少ししょんぼりした。そんなことを話していると音駒の大きな学校が見えてきたのでクラスが同じだといいね、と言って下駄箱に靴を置き教室に入った。