第十六夜カシムside ページ20
カシムside
アリババがそう言うとどちらともなく相手に向かって行く。
ｶﾞｼｨｨｨ!!
ｶｼ「俺は…お前に負けたくない!!」
ｱﾘ「ふざけんな!!勝ちだの負けだのそんなもん必要ねーー!!」
ｱﾘ「俺たちの間にそんなもんはねーー!!」
ｶｼ「!?」
そう言われた瞬間ハッとした。
けどっ……そんな綺麗事じゃ足りねーんだ!
人間には違いがある。
能力、容姿、人格、人種、血統。そして、“階級の差”。
ｶｼ「何も持ってねぇ最低辺の俺たちは上の奴らが眩しくて仕方ねぇ…」
それを見上げて、見上げて…俺達は死んでいくんだ。
何も持たねぇ自分の運命を呪いながら。
だからこそ、そんな運命を変えられると証明したかった…。
ｶｼ「自分とはまったく違う崇高な何かに…なれるはずだ!!!そうだろ!?」
俺がこう言った瞬間アリババの胸を黒い右腕で突き刺した。
だが、白いルフが俺の腕に巻き付いて何かが流れてくる。
そして、俺の目からも……。
ｱﾘ「(悔しい情けねー)」
ｱﾘ「(人の数だけ“違い”があるかもしれない…でも俺はそれが…)」
ｱﾘ「(みんな幸せに生きるにはどうすれば…)」
そう思いながら涙を流すアリババを見て思った。
こいつとは別々の他人なんだ。
同じになることはできないんだ。
ｶｼ「それを俺は、無理矢理お前と同じ場所へ昇ろうとしていた…!」
俺がそう言い涙を流すと“ジン”が崩れてきた。
ｱﾘ「カシム!?お前、体が……」
ｶｼ「……大丈夫だ。俺は“ジン”と一緒に崩れるが…お前は生きて元に戻れる!」
ｱﾘ「何言ってんだ俺はお前を助けにきたんだ!」
ハハッ、もう充分だろ…。
巻き添えにした奴らに償えねぇのは申し訳ねぇがな。
ｶｼ「もっとお前と、ちゃんと話をしておけばよかったな……だけど、最後に一つお願いがある…」
ｱﾘ「っ…何だよ!?」
アイツに…Aに……。
ｶｼ「Aに約束を破っちまって悪いって伝えといてくんねーか?」
ｱﾘ「A……Aさんのことか…!?」
もう時間がない。
ｶｼ「もう一度だけアイツの手を握りたかったな…」
＿＿＿A。
『呼んだか?カシム』
ｶｼ・ｱﾘ「?!!」
Aの事を考えていたら突然声がした。
振り向くとそこには…
『遅れて悪いな…』
成長したが昔みたいな綺麗な笑顔で笑ってくれているAがいた。
『カシム…』
ｷﾞｭｯ
『カシム………一緒に帰ろうか』
ｶｼ「っ……あぁ!!」
俺は涙を流しながらAの腕の中でうなづく。
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ゆき - 本当に面白いです！！！ (2015年9月6日 20時) (
レス) id: 5b1d61c9d4 (このIDを非表示/違反報告)
maya＊(プロフ) - もじーたさん» 更新だいぶ遅れてごめんなさい！まだ、こうして待っててくれた人がいたとは…！感激です！これからは、ちょくちょく更新したいと思うのでよろしくお願いします！ (2015年8月23日 0時) (レス) id: 7db6d97053 (このIDを非表示/違反報告)
もじーた(プロフ) - 待ってました！おかえりなさい！これからも、更新楽しみにしてます♪ (2015年8月21日 21時) (レス) id: 022cb9a4f5 (このIDを非表示/違反報告)
アナ - 読ませてもらいました｡面白いです。続きが楽しみです。 (2015年6月20日 1時) (レス) id: 43bbe7ed5e (このIDを非表示/違反報告)
na - すごいです!やばいです !面白すぎです！！便新頑張って下さい！(^∀^)/ (2015年5月7日 16時) (レス) id: f5f78ba868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：maya＊ | 作成日時：2015年3月14日 18時
