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(ut.side)
嫌な予感がした。
見間違いであって欲しかった。
彼女の部屋を開けても部屋主が居ることなど滅多にない。
いつものことなのに、胸がざわめいて仕方なかった。
鬱「トントン！！Aちゃん見た！？」
ト「ど、どないしてん…今日は見とらんけど…」
鬱「っ…」
ト「あ、おい！！」
見ていない、そう。
俺も今日城内で彼女を見ていなかった。
じゃああの路地裏に入っていった女は？
後ろ姿はそこまで見ていないのに、
靡く髪の毛だけでどうしてここまで胸がざわつく？
あれは本当に、他人の空似だったか？
見間違いであるなら、じゃあ何故彼女は姿を現さない？
こんなにも僕が城内を探して回っていれば
彼女の方から姿を現してくれる筈だ。
可愛く首を傾げて、「どうしたん？」って。
人の気持ちも知らず、平然と。
鬱「…どこ、いったん…」
『…大先生…？』
鬱「！！Aちゃん…」
望んでいた姿に声をかけられ、やっと気づいた
多分あれからもう2時間以上経っている
トントンから聞いて、僕の部屋に来てくれたのだろう
…ということは、彼女は2時間以上城を離れていたということか。
『どないしたん？
大先生探してたってトントンから…！』
鬱「どこ、いってたん」
気づいた頃には彼女をベッドに縫い付けていた
抵抗しようとする彼女の手首を掴み、更に強く掴めば彼女の顔が歪んだ
鬱「また、売ってたん」
『……』
鬱「答えてや、なんで、目逸らすん」
何も答えない、ただの沈黙。
しかしこの場において沈黙は肯定を意味する
けども認めたくなかった
あれだけ約束したのに、どうして。
問うても今の彼女には無意味
分かっているから俺は彼女の胸元に頭を置いた
まるではたから見れば縋り付く子供だ。
『…知り合いのおらん世界にいきたいって、たまに思わん？』
鬱「え…」
唐突な問いかけにマヌケな声が漏れるも
彼女は気にせず言葉を続けた。
『今の関係全て断ちたくなる時、たまにない？』
鬱「…あるよ」
『自分を知らん人に慰めて貰いたくなる時ない？』
鬱「…ある」
『そういうこと』
そう言って、貴方なら分かってくれるでしょうと言わんばかりに彼女は微笑んだ
狡い、何もかも狡い。
涙を拭う優しい手つきも、皆には言わんでと僕に頼むのも、分かってるくせにつけこんで。
鬱「お願い、もうやめて…」
分かってるのに止められない。
それは彼女が、あまりに自分に似ているからだろうか。
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琴葉(プロフ) - 逆音つらら@ちゃげっ娘。さん» こちらこそ、ずっと読んでくれててありがとう！！コメントくるたび私もニコニコしてたよ…！本当に、長く書き続けてしまったけど、見守ってくれてて本当にありがとう！これからもよろしくね！ (2022年4月25日 21時) (
レス) @page50 id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
逆音つらら@ちゃげっ娘。(プロフ) - 長い間お疲れ様！！琴葉ちゃんの書くみんなが大好きで堪らんかった！毎回更新される度にニコニコしながら読んでた。最後の話めっちゃ好きありがとう...; ;改めてお疲れ様。長文失礼！ (2022年4月25日 20時) (レス) @page50 id: 7d70168393 (このIDを非表示/違反報告)
夜雫(プロフ) - 琴葉さん» 全然！むしろお願いしますm(_ _)m わたしほんとに主様の文が好きなんですよ！どうかよろしくお願いします！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 1708361fbd (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 夜雫さん» ｳｯｯｯやっぱり見たいですよね…私も書きたいです…嬉しいお言葉ありがとうございます…！余白的にしてみたでしたら書けるのですが、それでもよろしいでしょうか… (2022年4月21日 17時) (レス) id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雫(プロフ) - 胸:糞のやつ最後まで見たいです。文が毎回毎回知性を滅茶苦茶に感じる綺麗な文でほんとに好きです (2022年4月20日 22時) (レス) @page46 id: 1708361fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴葉
| 作成日時：2019年9月12日 0時
