痛み、その答え(zm) ページ12
なんで、と問いかけても返答はない
ただ冷たい瞳がそこにあるだけ。
反射する切っ先は真っすぐ自分に向かってくる
躊躇いなどそこにあるはずもなくて。
まるで、他人のようだ。
ゾ「っ、A…」
名前を呼ぶも相手は自分の目を見ない
任務に向かってから連絡のなかった彼女
皆なにかあったのだろうと気が気じゃなかった
死んでいるかも、とさえ考えていた
やから、会えてホンマに嬉しかったのに…。
ゾ「Aっ…！！」
なんで、何されたん。
笑顔も、情も、何もかも消えるほど
Aはこいつらに何されたん。
反撃など出来るはずも無くて
向けられる鋭い刃からただ逃げることしかできない
攻撃をいなしても直ぐに次の攻撃が来た
手加減など全くない。
模擬戦闘の時随分手を抜いていたのだろうと今になってわかった
インカムから仲間の心配する声が聞こえるも
今はそんな暇もあるはずがない
まず、そんな隙を見せれば殺られてしまうだろう
ゾ「っ、A…なんで、思い出してや…」
近くにいる兵が少ない為か、周りの音が小さく感じる
嫌に自身の鼓動が耳についた
情けないくらいに震えた言葉
問うても何をしても返事の無い彼女に益々視界が歪む
自分だけ覚えてる。
自分だけ、Aとした悪戯も、
Aとの思い出も、Aへの感情も
全部自分が覚えてる
『っ…！』
ゾ「忘れやんといて…」
敵に回れば殺さなければならない。
分かっているのに、
体は動くまま彼女を抱き締めていた
手首を掴んだ拍子に掌が少し切れたが
今はそんなことどうでもいい
忘れやんといて
忘れたんなら思い出して
好きやねん、今更…
ゾ「…今更、傷付けれるわけないやん」
お前を殺せるわけが無い。
躊躇なく掴んでいた腕を引き寄せ、抱き締めればAは自分が何をされているのか分かっていないようだった
しかしすぐにハッと我に返り、
持っていたナイフの切っ先を俺の背中に向ける
見えていないのに、その手は震えているように感じた
ゾ「…刺すんなら刺しいや、俺はお前に手え出せへん」
カタカタと、近くで音が聞こえる
ナイフが震えている
ただ刺せばいいだけ。
隙だらけの背中さえ刺せないのは
頭が覚えておらずとも彼女の体が自分を覚えているからだ
ゾ「A……ｯｶﾞ！」
突如走った背中の痛み
油断していた。今の彼女には刺せないと
忘れていた。彼女は自分と同業者だと
味方であろうと「今」敵であれば
彼女は躊躇っても手を下す、そのことを。
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琴葉(プロフ) - 逆音つらら@ちゃげっ娘。さん» こちらこそ、ずっと読んでくれててありがとう！！コメントくるたび私もニコニコしてたよ…！本当に、長く書き続けてしまったけど、見守ってくれてて本当にありがとう！これからもよろしくね！ (2022年4月25日 21時) (
レス) @page50 id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
逆音つらら@ちゃげっ娘。(プロフ) - 長い間お疲れ様！！琴葉ちゃんの書くみんなが大好きで堪らんかった！毎回更新される度にニコニコしながら読んでた。最後の話めっちゃ好きありがとう...; ;改めてお疲れ様。長文失礼！ (2022年4月25日 20時) (レス) @page50 id: 7d70168393 (このIDを非表示/違反報告)
夜雫(プロフ) - 琴葉さん» 全然！むしろお願いしますm(_ _)m わたしほんとに主様の文が好きなんですよ！どうかよろしくお願いします！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 1708361fbd (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 夜雫さん» ｳｯｯｯやっぱり見たいですよね…私も書きたいです…嬉しいお言葉ありがとうございます…！余白的にしてみたでしたら書けるのですが、それでもよろしいでしょうか… (2022年4月21日 17時) (レス) id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雫(プロフ) - 胸:糞のやつ最後まで見たいです。文が毎回毎回知性を滅茶苦茶に感じる綺麗な文でほんとに好きです (2022年4月20日 22時) (レス) @page46 id: 1708361fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴葉
| 作成日時：2019年9月12日 0時
