↓ ページ14
ズキンとした痛みに目が覚めた。
天井、匂い、風景、その全てが自身を安心させた
ベッドの横にかけられたパーカーには
自身の血がベッタリとついたまま。
夢じゃなかった。
Aは…。
ロ「入るで、っ！ゾム！！
…良かった、ほんまに良かった」
部屋に入ってきたロボロはボロボロと大粒の涙を零している
きっと生死の境目を彷徨う間、
世話をしていてくれた1人なのだろう
「迷惑かけてごめんな」と笑えば、
「ホンマやで」と泣きながら返してくるから
ああロボロだ、なんて改めて思えてしまった
ゾ「あ、ロボロ！Aは！？」
ロ「…それが…」
＿＿＿
ゾ「A、おるんやろ？」
ロボロに教えてもらったAの居場所は、Aの部屋。
俺を運んでくれたのはトントンらしく、その後Aは保護された
Aを誘拐し、何らかの術でAを操っていた組織は壊滅にまで追い込み、正直もう事は終わっていた
しかし、Aは保護された日から部屋を出てこないらしい。
ドアも窓も、ダクトも、全ての鍵が閉まっていて入ることが許されず、オマケに返事もない。
人の気配がするから、Aは中にいるだろう
ゾ「なあA、返事してや」
ゾ「…俺な、なんも気にしてへんで、体も大丈夫やし、」
『…私が、大丈夫ちゃう』
小さい声、けれど懐かしくて愛おしい声だとすぐに分かった
そっとドアを撫でるのは彼女に届いて欲しいからか。
ゾ「…A、ドア開けるか、開けられるか、どっちがええ？」
『……』
下手な脅しだが、きっと彼女なら開けてくれる
…トントンの仕事を増やしたくもないだろうし
数秒の沈黙の後、案の定解錠された音が聞こえた
ゾ「…A、会いたかった」
触れようとすればビクリと体が震えたが
今そんなことを気にしている余裕などないし、まずA不足
ギュッと力いっぱい抱き締めれば、またも肩に力が入った
『な、んで…私、ゾムのこと傷つけてんで…？やのに、』
ゾ「そんなんで嫌いになる思ってるん」
生憎だが、そんな程度で嫌ったり
離れるほど半端な気持ちでAに捧げていない
嗚咽が溢れるまでもう少し。
「辛い思いさせてごめんな」とそのまま頭を撫でれば、彼女の仮面がようやく剥がれた
おかえり、俺の愛しい人。
懐かしい温もりにこちらの方が泣きそうになったなど、口が裂けても言わないけども。
＿＿
『痛み、その問い』続き
＿
リクありがとうございます
久しぶりに更新して1000hitいくのは
本当に嬉しかったです
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 548人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴葉(プロフ) - 逆音つらら@ちゃげっ娘。さん» こちらこそ、ずっと読んでくれててありがとう！！コメントくるたび私もニコニコしてたよ…！本当に、長く書き続けてしまったけど、見守ってくれてて本当にありがとう！これからもよろしくね！ (2022年4月25日 21時) (
レス) @page50 id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
逆音つらら@ちゃげっ娘。(プロフ) - 長い間お疲れ様！！琴葉ちゃんの書くみんなが大好きで堪らんかった！毎回更新される度にニコニコしながら読んでた。最後の話めっちゃ好きありがとう...; ;改めてお疲れ様。長文失礼！ (2022年4月25日 20時) (レス) @page50 id: 7d70168393 (このIDを非表示/違反報告)
夜雫(プロフ) - 琴葉さん» 全然！むしろお願いしますm(_ _)m わたしほんとに主様の文が好きなんですよ！どうかよろしくお願いします！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 1708361fbd (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 夜雫さん» ｳｯｯｯやっぱり見たいですよね…私も書きたいです…嬉しいお言葉ありがとうございます…！余白的にしてみたでしたら書けるのですが、それでもよろしいでしょうか… (2022年4月21日 17時) (レス) id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雫(プロフ) - 胸:糞のやつ最後まで見たいです。文が毎回毎回知性を滅茶苦茶に感じる綺麗な文でほんとに好きです (2022年4月20日 22時) (レス) @page46 id: 1708361fbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琴葉
| 作成日時：2019年9月12日 0時
