*4話(後編)* ページ7
綺麗な花が咲き誇る花園であるはずなのに、
確かに感じる魔力。
直ぐにでも、魔力の正体を確かめたいが、
今此処にはソフィーもいる。
下手に魔法を使い、相手を煽りたくはない。
「この魔力、知ってる気がする。
魔法学校時代の誰か…かしら」
魔法学校に居るのは生徒から先生まで多数。
それに、学校に居る全員が魔法を扱うのだ。
魔力もそれだけ多い。
魔力はその人によって、特徴がある。
けれど、全員の特徴を知っているかと聞かれたら、それはかなり難しい。
友達の魔力だったら…とも思ったが、
私にはそれも難しい事かもしれない。
サリマン先生の元で修行をしていた私は、
友達と長い時間を過ごす事は出来なかった。
それに加え、
私の頭の中は常にハウルだった。
一時期はハウルと共に、同じ部屋で、
同じ先生の元で修行が出来ていた。
けれど、それも難しくなり、
唯一繋がりがあると確信を持てていたのも、
ハウルとの魔法手紙でのやり取りだ。
「会えない恋人を想い、
今は何をしているか…今は何処にいるか…って、
常に考えていたもんね」
今はその時の自分を悔やむ。
「出来れば、友達ではない事を祈りたいわ」
そう呟きながら、客間へと急いだ。
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作者名:美月 | 作成日時:2017年3月20日 13時