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*3話(前編)* ページ4

通されたのは、広い一室。


恐らく、客間として使われているのだろう。



「カブ…本当に王子だったのね」



そう呟いた時、そっと扉が開いた。



「ソフィーっ…」



部屋へと入って来たのは、
車椅子に乗せられたソフィーと、
その椅子を押すカブ…ナイン王子だ。



「ソフィー、大丈夫?
何があったのって…声が出ないのよね」



慌てて駆け寄り、声を掛けた私に、
コクコクと頷くソフィー。



「大丈夫、すぐに治してあげるわ」



安心させるように、笑顔を見せて話す私。


そんな私とソフィーを見つめるナインに、
ハウルが問いかけた。



「カブ…じゃなかったね。ナイン王子」


「いえ。
私達だけの時でしたらカブで結構ですよ!
何だか懐かしいので」



笑いながら話す二人。


私も会話に参加しようと立ち上がった。



「カブ。久しぶりね」


「お久しぶりです、(人1)さん」


「ねぇ、カブ。
ソフィーの事だけれど、
詳しく話を聞かせてくれないかしら?
医療魔法を掛ける事は可能だけれど、この状態になった経緯が分からなければ、治療も難しいわ」


「そうなのかい?」



ハウルが私に問いかけた。



「僕はてっきり、以前の時と同様…体内を覗いて掛けるのだとばかり思っていたのだけれど」


「そうしたいのは山々よ。
だけど、体内を覗くのは、あくまで治療する為。
以前は、切り傷だったでしょう?
切り傷によって、体内に張り巡らされた脈が損傷してしまった…。
その脈を塞ぐには、体内を覗く必要があったの。
けれど、今回の場合は少し違うわ」



医療魔法には様々な種類がある。


攻撃を受けた事による外傷…
風邪など、自然とかかってしまう病…
魔法による病…


それらによって、治療の仕方が異なってくる。

*3話(後編)*→←*2話*



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作者名:美月 | 作成日時:2017年3月20日 13時

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