逃げても逃げても何度でも

【appeard】 ページ22

中学に上がって、二回目の学年が変わる頃、中学での友達もできて、徐々にだけど小学校の頃が嘘みたいに友達が話しかけてくれるようになった。


だけど、未だにあの二人には会えていない。


もうすぐ受験生になるからと携帯を持たせてもらえるようになって、少年院について調べてみると、犯罪を犯してしまった未成年の更生施設だと知った。



昼休み、なんとか二人に会う方法はないかと携帯電話を使って調べる。
面会の方法を検索していると、ちょんちょんと小学校からの同級生に肩を突かれた。



「あのね…話があるんだけどいいかな？」


控えめに言ったその子にどうしたの？と返せば、ここでは話しにくいからと空き教室に連れてこられた。


その子が話し出すのを待っていると、あの時は避けてごめん！と深々と頭を下げる。



それはそれは綺麗な90度！



いきなりの事にたじろぎながらもう気にしてないと伝えるとその子は、頭を上げてポツリポツリと話しだした。


あの公園で金髪の三つ編みとお団子に手当ての日の事を聞かれても、全部はいで答えること、私と関わらないようにしないと私に怪我をさせると言われたらしい。


最初は、二人が怖かったからだけど、後に二人が人を殺したという噂を聞いたそうだ。
それで現実になりそうで怖かったと話してくれた。


当時の六年生が良くない噂を流して、それを信じた子、六年生が怖くて逆らえず噂を回した子。


やらせたのは、三つ編みとお団子…蘭くんと竜胆くんだと聞いた。



頭を殴られたような衝撃とはこの事なんだと思う。


なんでそんな事をする必要が…


まず出てきたのは、疑問だった。
そして、今、証拠がないからと信じたくない自分がいる。


あれ…？


辛うじて働いている頭が録画の巻き戻しみたいに記憶を戻して呼び出した。



(だいじょーぶ♡俺らはAがダチ嵌めたりしないの知ってっから)



なんで私も知らなかった噂の内容を蘭くんが知ってるの？


昼休み特有のグラウンドの楽しそうな声がフィルターがかかったみたいに遠くに聞こえる。
耳鳴りがして、思考がショートしたみたいにもう何も考えられない…というより、考えたくない。



私が見落としてしまっていただけで、この子の話通り、追って辿れば蘭くんと竜胆くんだった。




気づいてしまえば早い。




だけど、何の為に、二人はそんなことしたの？

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