#8電話 ページ9
鳴り響いた、呼出音。
三回ほどコールしたところで、がちゃっと電話に誰かが出た。
《もしもし。芥川だ。》
声変わりをしていてすぐにはわからなかったけれど……これは、何度も聞きたいと思っていた、芥川の声だ!!
ふと隣からものすごい殺気を感じてちらりと盗み見ると、敦くんが今までに見たことの無い形相で宙を睨んでいる。
あ、敦くん……顔怖い……
「もしもーし太宰だよ〜聞こえてる?芥川くん」
《だ、太宰さん!?何故貴方が……!?》
「細かいことは気にしないでくれ給え。それでね、芥川君。これから武装探偵社に来てくれる?」
《……罠、ですか?》
「君も賢くなったねぇ……でも、芥川君が武装探偵社に来て暴れられたりしたら国木田くんの眼鏡が壊れちゃうよ♪
それに芥川くん、今人殺せないでしょ?」
《くっ……人虎……》
「勝ち目のない、というか此方に不利益のある闘いはしない。つまりこれは只の私からのお誘いだ。来るよね?」
《し、しかし、首領に許可を取ってからではないと、もし罠だった場合対処が出来ません。》
「私の命令が聞けないっていうのかな?」
《っ……解りました。これから向かいます。》
「五分できてね♪」
《必ず五分で行きますッッッ》
プツッという音と共に電話が切れる。
芥川……お前はそれでいいのか。
そして、太宰さん。
めっちゃ雰囲気黒かったんですけど。
ガチな方で怖かった……
「まぁ、これで芥川君は来るだろうね。Aちゃん、お茶でも用意しておけば?」
『あ、はい……』
給湯室に行きながら私は改めて思った。
(この武装探偵社ってそこらへんの不良とかより余程物騒じゃない?)
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