#7どうする……? ページ8
yourside
「大体依頼内容は分かった。」
向かい合って私の話を聞いていた国木田さんが、手帳を閉じて一旦目を閉じた。
「ただ、問題はどうポートマフィアに乗り込むか……だな」
「そうですね……彼処は容易に入れる場所ではないですし……」
国木田さんの言葉に敦くんが頭を抱える。
ポートマフィア本部は常に厳重に警備が行われていて、武装探偵社の調査員が行っても人数に圧殺されるだろう……
「私がなんとかするよ♪」
鼻唄に乗せてそんな声が扉のほうから聞こえてきた。
「太宰っ!?お前、何処かに行っていたのではなかったのか!?」
光の速さで国木田さんが太宰さんの横に移動し、首を掴んで思い切り揺らす。
わぁ、痛そう←
「とにかく、お前がなんとかするのか?」
というか出来るのか?と国木田さんが付け足して首を離した。
太宰さんは首を掴まれたことが嬉しかったのか、上機嫌で頷く。
『ぐ、具体的にはどうするんですか……?』
私が尋ねると
「私が芥川君を呼び出せばいい。」
『「芥川を……!?」』
私と敦くんの声が重なった。
『な、なんで太宰さんが芥川と面識あるんですか!?』
驚いて、いつの間にか国木田さんと共に椅子に座っていた太宰さんに詰め寄る。
「元マフィアだから♪」
ええ!?
と驚いたのは私だけで他のみんなは首を縦に振っている。
「それでね、私はすこぶる芥川君に好かれていて、随分困っているのだよ……私が大声で彼を呼べば飛んでくるくらいにね、彼は私のことが大好きなのだ」
やれやれというように首を横に振る太宰さん。
何故そんなに好かれているんですか太宰さん……
「だからね、私が無線で芥川君を呼び出す。そうすれば、芥川君は必ず来る。」
先程の巫山戯たような態度と打って変わって真剣な眼差しで太宰さんが云う。
「ていうことで……」
太宰さんがそこで一旦話を切り、懐から折りたたみ式の携帯電話を取り出した。
「な、なんですかそれは……?」
敦くんが首を傾げる。
「マフィアで使う、無線のようなもの。」
鏡花ちゃんが答えた。
そっか……鏡花ちゃんも元マフィア、なんだっけ
「その通り。それでこれは芥川君のに繋がっている。掛けるけれど……良いかい?」
誰も反論しない。
国木田さんは手帳をじっと見ている。
自分は知らない、という顔だ。
「それじゃ、掛けるね。」
無音の部屋に、呼び出し音が響き出した______
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