【ツッコミ系】笑って、触れて、愛して。 2

A0Iさんと。 ページ23

引き続き同じリクエストです〜！


「あっあああ、あっ、やば、まじで実在してる〜〜無理やだ無理〜〜」

「……」

「呼吸してる動いてる〜〜〜A0Iさんがいる〜」


会って早々、ペラペラと早口で言うこいつは、一応僕の彼女。

オタク特有の早口で「ああああ握手してもらってもいいですか」とか言って手を握ってくる。


「もちろんいいですよ〜！ひゃーやっぱ手ぇちっちゃいですね〜！」

「A0Iさんは手大きくて綺麗ですね〜〜舐めたいです〜！！」

「それはダメです〜〜」


彼女の夢主は、僕の推してる声優さん。

オタクとオタク。はたから見たらヤバめの男女。


「こんなキモイ女だから…ドン引かれると思ってたのに…」

「それは僕だって…てか僕はむしろ嬉しいよ、めちゃくちゃすこいです！」

「っあー！無理ー！推しに認識されてるの無理！イケメンに認識されてる〜！」


両手で顔を押さえて喜ぶ夢主。

…こんな2人なのに何で付き合ってんだろ。


「……」


好きです、付き合って下さいでよく付き合えたよな…軽い冗談だったけど今は普通に本気だし。

…ちょっと試してみようかな。


「…？あお、っわ…！」

「ほんとに手、小さいね」

「え〜？私は普通ですよぉ〜」


きゅっと小さな手を握ってみる。…まあ赤くもなんないよね、うん。

するすると指を絡めてみる。…女の子の手って全然違うんだな。

小さくて、細くて、柔らかくて。


「…っあの…」

「え、あ…ごめんなさい気持ち悪かったですね」

「い、いや…その…」


ハッとして顔を上げれば、少し赤くなって俯く彼女が見える。


「…お、男の人って…手大きいだけじゃないんですね…指も長いし、骨っぽいし…」

「あー…まあ僕の手は平均より少し大きいと思いますよ」

「何か…ちゃんと、男の人なんですね…」


「あっ、はは！す、すみませんキモイこと言って！」って手を離そうと振り回してくる。

でも男の僕に力でかなうわけなくて。

手を繋いだまま、歩き出す。


「ほら、声優さんなんだからバレないように気をつけて下さいね？」

「なっ…え！？」


ちょっとでも俺のこと、意識してくれたのかなって、少し期待してるのは秘密。

(＿＿両想いまであと少し)

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